転職してすぐの頃、「保険証がなくて困った」という経験はありませんか??
医療機関にかかる際、必ず提示しなければならない保険証。
しかし、転職直後は切り替え申請中のため、すぐには新しい保険証が届かないのです。
保険証の切り替えは、思った以上に時間がかかります。
では、そういった場合は病気や怪我を我慢して、保険証が届くのを待つしかないのでしょうか?
もともと持病があって、定期的に受診が必要な場合などはどうなるのでしょうか?
保険証がない場合の受診や料金について、医療事務をしている私が詳しくご説明させていただきます♪
転職したてで保険証がない場合病院には行ける?
転職してすぐ、まだ保険証がない場合でも医療機関の受診はできます。
まだ手元に保険証が届いていないというだけで、申請・手続きはしているわけですから、「無保険」ということではありません。
しかし、手元に保険証がない限り、医療機関にかかる際は10割全額負担です。
そこで、保険証を申請・手続き中の場合は、手続き中であることを証明する「健康保険被保険者資格証明書」を提示することで、医療費の支払いは通常の3割負担ですみます。
(保険証を提示するのと同じ扱いになります)
この証明書は転職先の総務や経理などの担当者に依頼して、保険事務所から発行して貰うことが出来ます。
特に発行の依頼がなければわざわざ発行はされませんので、事前に受診が分かっている場合や、小さいお子さんがいて心配な場合などは、あらかじめ発行しておいたほうが安心ですね。
大切なことですので、転職後すぐに確認されておくことをおすすめします。
この証明書は保険証が発行されるまでの代わりとなるものです。
保険証が発行されたら、受診した病院にあらためて提示する必要がありますので、忘れずに持って行って下さいね。
転職してすぐの10割全額負担は最初のお給料を貰うまでは痛い出費となります。
事前にできることは早めに手続きをしておきましょう。
時々私の勤め先でも起こるケースなのですが、まだ前職の保険証を持っていたり、国民健康保険証を持っていて、その保険証を使用してしまう患者さんがおられます。
その保険証はたとえ期限が切れていなくてももう使用することはできませんので、絶対に提示しないで下さい。
これまで使用していた保険証は、貴方が退職をした翌日で資格失効しているため、使用することができません。
国民健康保険は主に自営業の方や、退職後次の仕事が決まるまでの間などに加入しますが、こちらも就職先が決まり、転職先で社会保険に加入する場合はそちらでの保険証の発行を待たなければいけません。
たとえ保険証に記載されている有効期限が切れていなかったとしても絶対に使用してはいけません。
私も毎月保険請求をしていますが、必ず何人かいらっしゃるのです。
あぁ、あの人か・・・と患者さんの顔を思い浮かべながら、使えない保険証で受診しないでよ、とがっかりしてしまいます。
そしてその時使用した保険証は、当然不正使用ですから全額実費で請求されます。
後から新しくできた保険証で再度手続きをし直したり、申請も大変複雑ですので転職先の担当者に転職早々迷惑をかけることにもなります。
基本的に退職時に返却するはずの保険証を使った、となると転職先でもあまり良いイメージは持たれません。
社会人としてのルールとマナーはきちんと守りたいですね。
結論として、保険証がない場合の受診は出来ます。
その際は必ず「手続き中」であることを伝えて下さい。
前職の保険証などは絶対に使わないで下さい。
病院に保険証がない状態で行ったら料金はどうなる?
保険証も、健康保険被保険者資格証明書も持っていない状態で医療機関を受診した場合は、一旦全額負担での支払いとなります。
しかし、一旦自己負担するだけであって、保険証が出来次第あとから払い戻しを受けることができます。
払い戻しの方法は2通りあります。
①かかった医療機関で払い戻しの精算をする
保険証が手元に届いたら、かかっていた医療機関へ保険証と領収書を持って行ってください。
この時領収書を紛失していたら返金に応じて貰えない場合がほとんどですので、絶対になくさないようにお願いします。
ちなみに領収書の再発行はだいたいの医療機関で有料です。
私が勤めていた病院の中には、一通あたり2000円のところもありました。
紛失しないに越したことはありません。
領収書と保険証の提示により、多く支払っていた7割分が返金されます。
ただし、あまりにも精算が遅い場合は、返金に応じて貰えない場合があります。
だいたいはその月のうちに、ということが多いと思います。
保険の請求はひと月単位ですので、月が替わると直接「保険事務所」へ行ってくださいと言われるかもしれません。
いつまでに来れば間に合うかを必ず確認しておいて下さい。
②直接保険事務所(保険組合)で払い戻しの精算をする
かかった医療機関で払い戻しが出来ない場合は、直接保険事務所で払い戻しを受けてください。
こちらは申請期限が2年以内と定められていますので、うっかりして忘れてしまいがちですが、保険証が出来たらすぐに精算して下さいね。
保険証が切り替えに間に合わないときはどうしたらいい?
先ほど上記でもお話しましたように、保険証なしの場合は10割全額負担です。
後から払い戻しを受けてももちろん良いのですが、事前に受診が分かっている場合は「健康保険被扶養者資格証明書」を発行しておくと安心です。
社会保険については、転職先によって加入している保健組合が様々なため、手続きをして保険証が手元に届くまでにかかる期間もまちまちです。
おおよその目安として約2週間位と思っておくと良いかもしれません。
しかし、春先は新社会人や異動・転居に伴う保険証の手続きと時期が重なるため、保健組合もかなり混雑しますので、1ヶ月近くかかったという患者さんもいらっしゃいました。
その患者さんに資格証明書の発行もおすすめしましたが、繁忙期になるとその証明書ですら発行に時間がかかってしまう、と職場の担当に言われたそうです。
やはり、事前の申請・手続きは大切ですね。
また、ご自身が世帯主の場合、家族も一緒に転職先の保健組合に加入することになりますね。
その場合、ご自身と家族とで保険証が届く時期がずれることもありますので、頭に入れておくと慌てなくて済みます。
(ご本人の保険証が先に届いて、家族の分はさらに1週間後、とういうケースもあります)
受診までに保険証が間に合わない時は・・・
①一旦10割全額支払って、後から払い戻しを受ける
②事前に「資格証明書」を発行しておく
※退職して保険証を返却してすぐの場合
健康保険証は一人につき、1枚です。
重複して何枚も所持することはできません。
退職する際に、前職場より「健康保険資格喪失証明書」が発行されます。
次の仕事が決まっている場合は、この証書を提出することで転職先の健康保険に加入することが出来ます。
まだ次の仕事が決まっていない場合は何らかの健康保険に加入する必要があります。
①任意継続(前職の社会保険を継続して使用する)
②国民健康保険
このどちらかを選択しないと、「無保険」となりますので注意が必要です。
退職後に医療機関を受診する際に困らないよう、退職後の保険加入についても、きちんと調べておきましょう。
退職後の保険証が間に合わず、保険証なしで医療機関を受診する際も10割負担となりますので、退職後の保険加入は早めにしておいて下さい。
まとめ
転職すると、新しい環境に慣れるまで本当に大変ですね。
環境が変わって体調を崩してしまうこともあるかもしれません。
いざという時のために、健康保険証の知識はとても大切です。
慌てなくてすむように事前に出来ることは、早めにしておいて備えを万全にしておいて下さいね。