初冬の風物詩でもある干し柿。トロッとした甘さが美味しいですよね。
食べ始めるとつい止まらなくなってしまう人も多いのではないでしょうか。
家で作った干し柿が黒くなってしまったら、食べられるのか不安になった人もいるのではないでしょうか?
今回は、黒くなった干し柿は食べられるのか、干し柿を黒くしない方法や黒い斑点はカビなのかということについてご紹介します。
干し柿の黒いモノは食べられる?
大丈夫!黒い干し柿は食べれますよ~!
干し柿は柿の甘みや旨味が凝縮してトロッと甘いので、好きな人は手作りすることも多いんですよ。
しかも、柿の甘さは和菓子界では「甘さは干し柿をもって最上とする」という考えがあり、程よい甘さの基準にもなっているんです。
ですが、残念なことにせっかく美味しい干し柿が食べたくて手作りしたのに、黒く変色してしまった…という人が多いんです。
干し柿に限らず食べ物が黒く変色していると、カビているのではないかと思ってしまいますよね。
でも大丈夫!干し柿は黒くなっていても食べることが出来ます!
干し柿が黒くなる原因は、ポリフェノールの一種である「タンニン」なんです。
干し柿は渋柿を干して作りますよね。
その元である渋柿の渋みの正体が「タンニン」なんですよ。
柿を干すことで、渋みを感じる「水に溶けるタンニン」から、渋みを感じない「水に溶けないタンニン」に変化するために黒く変色してしまうんです。
黒い干し柿の中には、天日干し・無漂白・無農薬で作られたものもあるので、干し柿が黒くなっているからと言って悪い状態というわけではないんですよ。
干し柿が上手に出来上がるかどうかのカギは「乾燥」にあるんです。
干し柿が黒くなる・硬くなる・白い粉が無いという状態は、全て乾燥状態が悪いことが原因なんですよ。
この3つを防いで、白い粉が付いた干し柿を作るためには手間がかかるし手入れも大変ということで、プロが行うレベルと言われているんです。
自宅で干し柿を作って、黒くならず・硬くならず・白い粉が付いている状態で出来上がった時には完璧に出来上がっているという証拠ですね。
干し柿を黒くしない方法とは?
干し柿を作る時に、黒くなるのを防ぐためには「揉みこむ」ことが重要なんです。
渋柿から干し柿になる段階で柿を揉みこむことで、柿の組織を破壊することができます。
柿の組織を破壊することで、黒く・硬くなる「ミイラ化」を防ぐことが出来るので、結果的に干し柿が黒くならないんです。
黒くならない干し柿を作るためには、
1.風通しの良い場所に吊るす(日陰でも日向でもどちらでもOK!)
2.2週間程度経過したら、干し柿の実を1つずつ両手の指でよくもみほぐしましょう。
この時、全体が透明感のある飴色状になるように揉みこむのがコツですよ。1個につき2分程度が目安です。
3.揉み終えたら、形を整えて再び吊るしましょう。
2週間程度経って、薄っすらと白い粉がふき始めたら下ろしてOKです。
もし硬い場合には、再び揉んで形を整えレジ袋などに入れたら、冷暗所に10日程度置くだけできれいに白い粉が付くようになりますよ。
干し柿の黒い点はカビ?
干し柿を作ってみると、黒く変色するだけでなく黒い斑点が出る場合もあります。
この黒い斑点も水に溶けないタンニンが原因なんです。
また、柿に含まれる微量の鉄分と反応した「タンニン鉄」が原因である場合もあります。
身体に悪影響があるわけではないので、問題なく安心して食べられますよ。
カビと勘違いしてしまいそうですが、カビの場合は青色や緑・グレーのものが付いています。
白い粉も一瞬カビかと思ってしまいますが、白い粉は砂糖をまぶしたようなきめ細やかな均等が取れた白色なので、心配しなくても大丈夫ですよ。
ただし、白い綿のようなふわふわとした透けて見える塊の場合はカビです。
間違えないようにしましょうね。
カビている場合、カビの根が奥まで入り込んでいるのでなるべく食べないようにしましょう。
まとめ
干し柿を作った時に黒く変色してしまうのは、水に溶けないタンニンが原因です。
乾燥状態が悪いことが原因で起きることが多いですよ。
干し柿が黒く変色してしまっても、身体に悪いわけではないので問題なく食べられます。
干し柿を黒く変色させないためには、干し柿を吊るして乾燥させている過程でよく揉みほぐすことが大切です。
一つずつしっかりと揉みこんだら再び吊るして経過を見ると、白い粉が薄くふき始めて綺麗な色の柔らかい干し柿を作ることが出来ます。
干し柿に黒い斑点が出てきても、カビではありません。
これもタンニンが原因であるため、問題なく食べられますよ。
初冬の美味しいおやつとして、今年の冬は干し柿を手作りしてみてはいかがでしょうか。