子供がいる前で夫婦喧嘩をしたことがありますか?
もしくは子供の頃、親の夫婦喧嘩を目の前で見たことがありますか?
夫婦喧嘩は他人からすればどうでも良いことかもしれません。
でも子供にとっては本当に辛く、苦しいものです。
自分の大好きなお父さんとお母さんが、いつも喧嘩をしているなんて子供にとってはこんなに残酷なことはないでしょう。
心に大きな傷を負ってしまうことは間違いありません。
トラウマやストレスとなって、ずっと引きずってしまう可能性があります。
今回は、子供の前で夫婦喧嘩をすることで子供に与える影響について説明します。
夫婦喧嘩は子供のトラウマになる?
小さな子供にとって両親や兄弟姉妹の存在は、とても大きなものです。
特に就学前ともなれば、まだ家族以外の「社会」を経験したことがないわけです。
ですから家族、特に親から受ける影響はとても大きく、または暴力を振るっていたら、いったい子供はどうなってしまうのか、考えただけで恐ろしいですね。
夫婦と言っても男と女、性別も違えば育った環境も違う、もともとは赤の他人なのですから、意見の食い違いもありますし価値観が違って当然です。
しかし、それは子供の前で喧嘩になって良い、ということではありません。
大好きなお父さんとお母さんが大きな声で言い合いをして、それっきり口をきかなくなる・・・。
家中の空気が重くなり、静まりかえる。
子供はどうしたらよいかわからず、ただただ時間が過ぎるのを黙って待つしかありません。
怖くて口がきけなくなっているかもしれません。
そこから生まれるものは「悲しみ」「孤独」「喪失感」といったマイナスの感情です。
でもそれを誰にどうやって伝えれば良いのかを知る術を、子供はまだ持ち合わせていません。
喧嘩が繰り返される度に傷は深まり、やがてそれは生涯消えることのないトラウマへとつながっていきます。
心に負った傷はなかなか見えにくいものです。
子供が大人になり、「お父さんとお母さん、いっつも喧嘩ばっかりしてたよね」と明るく笑い飛ばせる性格に育っていたら良いかもしれません。
しかしそうでなければ、両親の喧嘩を思い出す度に、恐怖心から抜け出せない重い「トラウマ」を背負う可能性はとても高いと予想できます。
夫婦喧嘩は子供にとってストレス…
子供にとって、いつも夫婦喧嘩を見ていることが良い影響を与えているとは誰も思わないでしょう。
お父さんとお母さんには、いつも仲良しでいてほしいと願うのは当たり前の感情です。
不仲な親を見て、子供は心を痛め沢山のストレスを受けます。
両親の喧嘩をやめさせようと働きかける努力をするが故に、自分の感情を押し殺しているかもしれませんね。
「良い子にしなきゃ」と両親の機嫌を取ろうと必死になったり、両親の顔色を常にうかがったりするようになっていく可能性もあります。
目の前で人が争う様子をみだたけで、パニックを起こしてしまうようになるかもしれません。
たとえば子供が喧嘩の仲裁に入ったとして、親が子供に強い口調で辛く当たったとしましょう。
子供はおそらく「自分のせいだ」「自分では喧嘩を止められなかった」と自分を責めるでしょう。
そうして蓄積されたストレスは、心や体に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。。。
夫婦喧嘩は子供の脳に影響をあたえる?
夫婦喧嘩が、子供の心と体に大きな影響を及ぼすであろうことは予想がつきます。
しかしながら、もっと心配しなければならないことは、そのストレスが脳に影響を及ぼす可能性があるということです。
「PTSD」という言葉を聞いたことがありますか?
「PTSD」とは、「心的外傷後ストレス障害」のことで過去に起こった出来事が原因で心に大きな傷を負ってしまう病です。
ショックな出来事が起こるとパニックを起こしてしまうこともあります。
心に強い衝撃を受けた時、とたんに自分を見失い混乱し時には失神してしまう場合もあります。
テレビで喧嘩の場面を見ただけで、突然息がしにくくなったりできなくなる程の苦しさを感じ、動悸、めまい、嘔吐などの症状が出ることもあります。
満員電車の中だったり、人ごみの中で突然発作に襲われることもあります。
これは脳の萎縮によるもので、感情のコントロールがきかなくなってしまうことから起こる病です。
子供は大人が思っているよりもずっと繊細でか弱い存在なのです。
まとめ
子供にとって親はかけがえのない存在です。
そして親にとっても子供は宝です。
お子さんが生まれたときの事を思い出してみて下さい。
いつも怯えて下を向き、親の顔色ばかりをうかがう子供に育ってほしいと願ったでしょうか。
きっと、「明るく健康でのびのびと育ってほしい」と思ったはずです。
自分のお子さんを傷つけたいと思って育てている親はいません。
もし今日お子さんの前で夫婦喧嘩をしてしまったら、明日はもう引きずらないで下さい。
いつも通り、「おはよう」と声をかけてあげて下さい。
もし、お子さんに昨日の喧嘩の事を聞かれたら素直に「ごめんね」と言ってあげてください。
「あなたは大切な存在だよ」とお子さんがいつでも安心して甘えられる場所を作ってあげて下さいね。