たわわに実った柿はそのままにしていてはカラスなどに突かれてしまいますから、早く収穫すべきですよね。
でも、こんなに食べきれない!
思ったより美味しくなくて、渋柿だったかも?ということもありますよね。
そんな時は干し柿にするのが一番ですが、美味しくするために柿を揉んだ方がいいと知っていましたか?
ここでは、干し柿を揉む理由、揉むタイミングと回数について紹介していきます。
干し柿をもむ理由は何?
干し柿をもむのは、熟成を早めるために行います。
ビタミンや食物繊維が豊富な柿ですが、タンニンという苦みや渋みの成分も含まれています。
タンニン自体は二日酔いや高血圧効果が期待できる成分ですが、口の中で溶けて苦みや渋みが広がってしまうのが難点です。
しかし、柿が熟すると、このタンニンが口の中で溶けないようになってくるのです。
そこで、熟成を早めるために、干し柿をもみ、果肉の組織が破壊し、水分も分散させます。
水分の蒸発とともにビタミンCは減少してしまいますが、β―カロテンやビタミンAは増加します。
通常は干し柿の完成まで1カ月近くかかり、干しているだけでもまないと、乾燥して固くなってしまうだけになることもあります。
しかし、干し柿を全体的にもむことで、約半分の期間で柔らかく、甘みが増し、美味しい干し柿が出来上がります。
干し柿の甘さは生の柿よりも1.5倍も増えるというのですから、これはもう美味しいに決まっていますよね。
干し柿をもむタイミングはいつ?
ズバリ、干し柿をもむベストタイミングは、柿を干してから1週間後!
干してすぐは表面が乾燥していないので、触ることでカビが発生しやすくなってしまいます。
また、表面が柔らかいうちにもむと、皮が破け、中の果汁が飛び出してしまうと、これもカビ発生のリスクを高めてしまいます。
干した柿を指で押して、固くなってきたらもむタイミングです。
干し柿で有名な銘柄であること長野県の市田柿は皮むき時の35%の重さになるまで乾燥したら柿もみを行っているそうです。
1つずつ柿の乾燥具合を見てからもんでいて、乾燥が足りない場合は天日干しで調節します。
干し柿をもむ回数は?
一度、もんで、再度、5~7日後にもむのが一般的です。
ビニール手袋をはめるか、よく消毒した手で、皮を破かないように力の加減に注意して、柿を一つずつ、親指と人差し指で周りからゆっくりと、様々な角度からもんでいきます。
爪を立てず、指の腹で優しく、全体をもんでいきます。
水気があると、そこからカビが発生してしまいますので、十分に気を付けましょう。
1回目は表面が乾燥している程度ですから軽くもむ程度に抑え、2回目は中まで柔らかくなってきますので、芯をほぐすようにしっかりともみ込むことができます。
愛情をこめて、「甘くな~れ、甘くな~れ」と念じながらもんでいくと、柿の中から水分と一緒に糖分が染み出て、その糖分がやがて白い粉のように結晶化します。
これを柿霜と言い、干し柿が白っぽく美味しそうに仕上げてくれます。
ただ干しておくだけとは大違い!
一つ、一つ、面倒でももむことで、美味しさに大差があります。
もんだ干し柿は2週間ぐらいで表面がしわしわになり、柿の糖分で白っぽい粉が吹いてきたら食べごろの合図になります。
中は半生のトロトロな感じになっているでしょう。
しっかり中まで乾燥したのがお好みの方は1カ月ぐらい干してください。
生の柿も美味しいけれど、干し柿の凝縮した甘みと旨味もたまらないものです。
何度ももんだり、毎日もんだりする人もいるようですが、柿をさわるほど皮を破ってしまったり、カビ菌を付着させたりするリスクも伴います。
もめば、もむほど美味しくなるというわけではありませんから、タイミングを見計らって、もむ回数は2回にとどめましょう。
まとめ
渋柿でも干し柿にすれば美味しくなると言われていますが、ただ、干しただけでは美味しくならず、それはただの硬くなった乾燥した柿・・・。
タイミングを見計らって、干し柿を丁寧に揉んであげると、中がトロトロの甘い干し柿になります。
「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざのように、柿は栄養豊富ですから、いつでも美味しく食べられるように、上手に干し柿を作ってくださいね!