上司からの指示がエスカレートし、これはもはやパワハラでは?と思ったら、どうしますか?
同じ職場の同僚に相談できればいいですが、少人数の職場では他に同僚はいないこともありますし、とにかく職場の人間関係は結構複雑なものですよね。
だからといって、家族や友人に相談しても、具体的な解決は難しいし、こんな時はやっぱり外部の労働基準監督署に相談するのが一番では?と考えるのではないでしょうか。
ここでは、労働基準監督署への内部告発はパワハラでもできるのか?パワハラの証拠を集める方法、労働基準監督署に内部告発したらばれるのか?について説明します。
労働基準監督署に内部告発するには上司のパワハラでもできる??
労働基準監督署は労働基準法・労働安全衛生法・労働者災害保険法等の法令遵守を監督する機関なので、実はパワハラの相談は業務外なのです。。。
パワハラの案件は、労働局の範囲になりますね!!
しかし相談するだけなら、労働局や労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーは職場でのトラブル全般について相談可能ですので、パワハラについてもOKです。
この総合労働相談コーナーは、相談に応じて社内での解決方法をアドバイスしてくれるだけなので、職場側に働きかけはしてもらえません。
職場にコンプライアンスの相談窓口がある場合は利用することを勧められます。
しかし、そのような相談窓口がなく、職場との話し合いが必要となった場合には、労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせん制度を案内してもらえます。
また、パワハラの内容によって違法の疑いがある時は、労働基準監督署への取り次ぎや申告方法の案内があります。
パワハラの証拠を集めるには?
パワハラの相談を社外ではなく、社内にするにしても、第三者がパワハラと分かる証拠がなければ取り合ってもらうのは難しいことです。
厚生労働省によると、パワハラとは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」としています。
職場内にこのようなことがある場合は証拠を集めましょう。
証拠の集め方は以下の通りです。
〇ボイスレコーダーやスマートフォンなどによる音声録音
上司や同僚から苦痛に感じる言葉を言われた時の様子を録音しておきましょう。
○メールやLINEのやり取り
苦痛に感じた内容のメールやLINEは削除しないで、しっかり保存しておきましょう。
〇医師の診断書
職場内のパワハラが原因で精神不安定や胃の具合が悪くなったなどで病院を受診することになった際は、診断書をもらっておいてください。
〇転勤・部署移動などの社内通達など理不尽な転勤や部署の移動も、職場環境を悪化させる行為と見なされることがあります。
〇業務日報や日記など立派なものではなく、メモ帳への記入でも大丈夫。日付とパワハラ内容を記録することで、立派な証拠になります。
証拠を集める際には決して他人に見つからないように注意してください。
見つかってしまうと、証拠が残らないパワハラへ移行させてしまう懸念があります!!
労働基準監督署に内部告発したらばれる?
労働基準監督署に職場の違法行為を申告する場合、匿名ではアドバイスをくれるだけで、職場への働きかけはしてもらえません。
やはり、実名を明かして申告(会社に調査してくださいとお願いする)することで、ようやく職場に立ち入り調査をしてもらえます。
既に退職している場合は問題ありませんが、自分が在籍中の場合は自分が労働基準監督署に通報したことは知られたくないですよね?
その場合は必ず、通報する時に自分の名前を明かさないよう伝えてください。
そうでないと、誰々の通報で立ち入り調査をしますと、職場に連絡がいってしまいます。
自分の名前を隠して通報することを「公益通報」といい、公益通報者保護法によって、会社に不利なことを密告したのを理由に、解雇、減給、左遷など不利益となることはしてはならないとしています。
けれども、大企業でない限り、立ち入り調査後の職場の雰囲気で誰が通報したかは分かってしまうことがよくあるようです。
労働基準法104条にも、労働基準監督署に申告したことを理由に労働者に不利益な扱いをしてはいけないと記されています。
それでも、嫌がらせが継続する時は証拠を集め、再度、労働基準監督署に相談しましょう。
ここまでくると、職場を是正するよりも転職した方がいいかもしれないですね。
逆に言えば、匿名では職場の立ち入り調査が始まることはないですから、ちょっとした確認でも、労働基準監督署に相談しても職場にばれることはありません。
パワハラが大きくエスカレートしてしまう前に、早めに相談してみるのもおすすめです。
まとめ
労働基準監督署はメールや電話での相談は匿名で問題ないですが、職場への働きかけを期待するなら違法行為の証拠集めをしっかりしないといけません。
匿名で職場を内部告発しても、ばれてしまう可能性はゼロではなく、開き直って実名で告発や転職も視野に入れる人も多いようです。
パワハラが酷くなる前に社内の同僚や窓口、労働基準監督署に相談し、早めの対応が事態を深刻化させないポイントではないでしょうか。
もしなかなか会社を辞めることができない環境の場合は、退職代行に依頼するのもアリでしょう。
女性専用の退職代行も存在します。
私がいたような悪質なブラック企業の場合は、弁護士が動いてくれる法律事務所の退職代行が良いかもしれませんね。