柿の木がある家の人は、干し柿を大量に作りますよね。
たわわに実った柿は食べきれないほど多く、干し柿にして長期保存できるようにすれば、長く冬の間も柿が美味しく食べられます。
作った干し柿は冷凍保存しておけば、カビの心配もなく、なお安心です。
しかし、冷凍した干し柿を取り出してみると、何やら変化があります・・・。
白い粉が付いているけれど、これはカビ? もう食べられないのかな?
今回は、干し柿を冷凍すると白い粉がふくこと、冷凍してもカビははえるのか、冷凍した後の戻し方について紹介していきます。
干し柿は冷凍すると白い粉がふく!
冷凍庫から干し柿を取り出してみると、なにやら白い粉が付着しています。
冷凍保存する前から付いていたかしら?
冷凍庫内の霜なら、溶けてなくなるはずです。
でも、解凍しても消えない白い粉は一体、何でしょうか?
実は、干し柿に含まれる糖分が表面ににじみ出てきて、結晶化してものです。
甘い干し柿だから特に白い粉をふくというわけではなく、柿の表面に細かな傷がつくと、糖分がにじみやすくなるのです。
なので、特別に甘い干し柿だけが白い粉をふくというわけではないそうです。
通常、干し柿を作る工程で、柿の表面をタワシやガーゼなどでやさしくこすって傷をつけて、白い粉をふかせます。
白い粉がふいた干し柿は、高級な干し柿のようで美味しそうに見えますよね。
この白い粉は、「柿霜(しそう)」とも言われます。
高級な干し柿で有名な市田柿でも、均一に薄く粉に覆われたものが極上とされているそうですよ。
本来は、干し柿を作る工程で白い粉をふかせますが、干している時期に冷たい風が当たらないと、白い粉がふいてこないことがあります。
そんな時の裏技として、冷蔵庫に一時的に干し柿を入れて、白い粉を吹かせることがあります。
今回は、長期保存のために冷凍庫にいれておいた干し柿が、偶然、冷凍庫内の冷気に当たって、白い粉をふいたようですね。
干し柿を冷凍するとカビがはえる?
基本的には、冷凍庫内はマイナス18℃以下のため、細菌やカビは繁殖しないです。
干し柿も常温保存や冷蔵保存ではカビが心配なので、冷凍保存がおすすめです。
しかし、ごくまれに冷凍庫内でもカビがはえることがあります。
これは、1つにはカビのついた食品を一緒に冷凍庫に保存した場合です。
冷凍保存する食材は鮮度がよいタイミングで冷凍庫に入れるものですが、賞味期限が切れてから、状態をよく見ないで冷凍庫にしまってしまうことがあります。
また、冷凍した食品を解凍して、また、再凍結しようと冷凍庫に入れた時に、カビを持ち込んでしまうことも考えられます。
そして、もう1つには冷凍庫といえども、開閉が頻繁になりやすい夏場は庫内の温度が一時的に上昇してしまうことがあります。
この2つの要因が重なると、冷凍していてもカビがはえる可能性があります。
冷凍していた干し柿についている白い粉が、カビかどうか、とても不安になりますよね。
見分け方としては、なめてみると甘いのは糖分の結晶と判断できます。
しかし、カビの可能性を考えると、なめて見分ける方法はおすすめできません。
気になる白い粉をよく観察してみましょう。
白い粉はふわふわと綿のようになっている場合は、カビの可能性が高いです。
糖分の結晶の時は、粉砂糖を振ったような、細かい粉のようです。
見た目で判断がつかない時は、カビの臭いで分かることもあります。
カビの場合は取り除いても、美味しくなくなっています。
カビは柿の内部まで、根を張っていることもありますから、思い切って処分してくださいね。
冷凍した干し柿の戻し方!
冷凍した干し柿を食べる時は、食べる分だけ戻しましょう。
再凍結は、干し柿を劣化させますので、やめてくださいね。
冷凍した干し柿を戻すのは、冷蔵庫がおすすめです。
常温で戻した方が早く戻りますが、常温が高いと柿の表面に付着した糖分の結晶が溶けてしまうことがあります。
美味しそうな白い粉が溶けて、手で触るとベタベタしてしまいます。
冬場でも暖房器具を使っていると、常温でも10℃以上になるでしょう。
時間がかかりますが、冷蔵庫で戻した方が美味しく食べられます。
まとめ
冷凍した干し柿に付着した白い粉は、柿の中からにじみ出てきた糖分の結晶です。
カビはふわふわと綿のようですから、見た目で確認できます。
冷凍した干し柿は、冷蔵庫で戻した方が表面がべたつかず、美味しく食べられます。
美味しい干し柿を冷凍保存して、ゆっくりと味わってくださいね。