先日父が亡くなりました。
亡くなるまでの間に、病院での手続きや医療の事など初めて知ることも多く、悩んだことや後悔したことも多かったです。
父は麻痺の影響で鼻から経管栄養で食事をしていたのですが、医師から中心静脈栄養として高カロリー輸液でしか生きていけないことを告げられました。
今回は、備忘録も兼ねて綴って行きます。
IVH中心静脈栄養を鼠径部から入れることに…
ウチの父親は急性硬膜下血種の後遺症で、意識レベルが低く、首から下がマヒで、寝たきりになりましてね。
急性期病院に搬送された初期は「ビーフリード?」や「ソルデム?」などを腕に点滴し、栄養を摂っていました。
「末梢点滴」ってやつですね。
症状が安定してくると、自分で食事をできないことから経管で鼻から栄養補給をしていました。
急性期病院から療養型病院へ転院した後も、鼻から経管栄養で食事を摂っていましてね。
ですが、ちょくちょく高熱を出していたんです。
高い熱が出るたびに 経管栄養をストップして末梢点滴で栄養摂取。
熱が下がってから経管栄養をするとまた熱が出る…を繰り返していました。
療養型病院では、鼻からの経管栄養と熱が出るタイミングが比例しているのを認識しまして、「医師から説明したいことがある」と呼び出されました。
主治医からは、「鼻から経管で入れている液体で誤嚥性肺炎を起こしていて、それが理由で高い熱が出ている」
「経管での栄養摂取では無理なので、太もも(足の付け根)や首付近の太い血管から高カロリー輸液を入れるしかない」と伝えられました。
「胃ろう」ではダメなのか聞いてみたのですが、胃ろうでも液体が逆流して誤嚥性肺炎を起こす可能性が高いと言われました。
父の場合は、太もも鼠径部から中心静脈栄養(高カロリー輸液)をしていましたが・・・相変わらず熱が出ました。
カテーテルを入れている場所がオムツのそばの影響や、脳のダメージが大きかったのもあるのでしょう。
医師や看護師さんも抗生剤を使いながら、「なんでこんなに熱が出るのかなぁ…」みたいな感じでしたね。
余談ですが、父はおしっこはバルーンカテーテルを使って出していたんですけど、オムツはつけていて、便も少し出ていたようです。
飲食禁止で、胃や腸は使っていない状態だったんですけどね。
腸管の細胞が新しい細胞になった時のモノが、便として出ていたのかなぁと思っています。
様子を見ながらIVH(中心静脈栄養)を続け、2か月目くらいにまた高熱が出ましてね。
検査をしたところ、肝機能障害を起こして肝臓の値が異様なくらい跳ね上がっていました。。。
中心静脈栄養をいったんストップし、腕から抹消点滴で栄養を入れ様子を見ていましたね。
熱が下がって2週間程してから、また太もも鼠径部(足の付け根)から中心静脈栄養(高カロリー輸液)を入れだしたのですが、入れる栄養の種類が変わっていました。
体に合っていなかったのかもしれません。
結局この栄養を、亡くなるまで入れていました。
たとえ高カロリー輸液を入れていても、最低限必要な栄養分なので、だんだんと痩せ細ってくるのが分かります。
胃ろうや高カロリー輸液が「延命治療」と言われているのを実感し、僕も毎日見舞いに行くたびにやるせない気持ちになりました。
亡くなる数か月前からは、栄養面が充分でないことから「床ずれ」ができやすくなって、血管も細くなってきているのが僕でも分かりました。
亡くなる一週間前は、血管が細くなりすぎて太ももからカテーテルを入れれなくなり、首のそばからカテーテルを入れられていましたよ。。。
ルート交換痛かっただろうなぁ。泣
急性期病院にいた頃、人工呼吸器をつけるかどうか結論を出さないといけない時がありました。
人工呼吸器にしろ中心静脈栄養(IVH)にしろ、「延命治療」と言われる行為には、家族のことを考える必要もあると感じます。
本当にいろいろと悩むことになりますね。。。
⇒人工呼吸器をつけるかつけないか。家族の負担と延命の費用は?
IVH中心静脈栄養の費用は?
病院に入院していると「食事代」ってかかるじゃないですか。
父の場合、経管栄養で鼻から栄養を摂っていた時は「食事代」はかかっていたのですが、中心静脈栄養で高カロリー輸液を入れるようになってからは食事代がかからなくなりました。
僕の認識は「高カロリー輸液=薬」という感じです。
つまり、健康保険が適用されるということです。
ですので、高額な医療費を払っても、申請すれば払い戻ししてもらえる「高額療養費制度」の対象になります。
「高額療養費制度」は、病院などの医療機関に支払った金額が、一定以上の高額になった場合払い戻してくれる制度です。
医療費を「いったん支払う→申請する→返金される」を繰り返すのが面倒な場合や、お金をまわすのが大変な場合は、「限度額適用認定証」を取っておいたほうが楽ですよ!
毎月病院に支払う医療費が、「高額療養費制度の自己負担限度額」ということで同じ金額になりますし。
結論としまして、IVH中心静脈栄養の費用は医療費に含まれているので、別個として中心静脈栄養の費用はかからないということになります。
高カロリー輸液の余命は・・・?
父は高カロリー輸液を始めて、8か月で亡くなりました。
ただし、中心静脈栄養で高カロリー輸液をしたから寿命が短くなったとのではないと思っています。
過去に「脳梗塞」二回、心筋梗塞か狭心症のどちらを起こした「うっ血性心不全」、硬膜下血種とデカい病気を起こしていまして、死亡診断書には死因は「急性硬膜下血種」と書かれていました。
前に医者からも、硬膜下血種の影響もあるけど、「うっ血性心不全で心臓が弱っている」と言われていましたしね。
実質最期も、心臓が弱って体中のむくみが進み、呼吸停止からの心臓停止で逝きました。
中心静脈栄養(高カロリー輸液)の話を医師から聞いた時は、「合併症とかの影響がなければ生きていける」という主旨の説明をされました。
その時に、「腕や足からの末梢静脈栄養だと1か月~3か月くらいだけど…」との話を聞いています。
別の病院で看護師をやっていた人にこっそり聞いたところ、高カロリー輸液をしている人は「合併症や感染症が無くて半年から1年くらいかなぁ・・・」と言われていました。
ウチの父は8か月だったので、だいたい合っていましたね。。。
「胃ろう」にした場合は長く生きると聞きますが、2年~4年くらいだそうです。
高カロリー輸液を始めた頃は、「できるだけ長生きしてや…」と思っていたのですが、だんだんとやせ細っていく父を見て、現実を受け入れざるをえなくなりました。
最期の一ヵ月くらいは、あまりにしんどそうで「いつ逝ってもいいよ。あなたの好きな時に…」と心の中で語りかけていましたね。。。
正直、見ている僕もかなりツラかったです。
何度も危機的なヤバイ状態があったのですが、そのたびに色々調べながら最期のことも考えつつ動いていました。
考えたくはなかったんですけどね、もしも・・・の時は、自分が動かないといけない立場だったので・・・
⇒病院で亡くなった後どうする?死亡診断書の発行?火葬に必要な書類は?
まとめ
今回は IVH=中心静脈栄養=高カロリー輸液 として書きました。
医師から「高カロリー輸液でないと栄養を摂れない…」と説明を受けた時、正直ショックでしたね。。。
自分で自分に「オヤジは大丈夫…」と言い聞かせていたのですが、半面「いつまで持つのかな…」とビビッていたのも事実です。
もし鼻からの経管栄養、胃ろう、中心静脈栄養を選択できるのであれば・・・
当人だけでなく家族の生活(病院なのか施設なのか、金銭面、気持ち的なモノも含む)を考えて選択することも、後々の後悔という意味で必要だなぁと感じましたよ。。。