エアコンについたカビを見ると、カビキラーなど塩素系の洗剤を使って掃除を思いつく人もいるかもしれません。
カビに効果抜群のカビキラーですが、後のことを考えるとエアコンの掃除に使ってはダメなんです。
今回は元掃除屋である筆者が、自分でエアコン洗浄する場合やシロッコファンやフィルタ―を含めた掃除で、カビキラーを使ってはいけない理由を綴って行きます。
エアコンの掃除をカビキラーでできる?洗浄を自分で?
過去に掃除屋をやっていた僕ですが、カビキラーを使って自分で掃除や洗浄をしたエアコンを何台も見ています。
「カビキラー」や「ハイター」、「キッチンブリーチ」など塩素系の洗剤を使ってエアコンを掃除したらダメですよ!!!
なぜなら、塩素系の洗剤って強すぎるんですよね。。。
強いアルカリ性
カビ汚れだからカビキラーを連想する人もいると思うんです。
中には自分で洗浄してみようかなぁと考える人もいるかもしれません。
カビキラーやハイターが手について、ヌルヌル感を感じた事ってありませんか?
あのヌルヌル感、実は皮膚の表面が、強いアルカリ性で溶けてしまったからなんですよね。。。
カビキラーの成分には、「水酸化ナトリウム」が入っています。
他の塩素系の洗剤だと「苛性ソーダ」とか「アルカリ剤」と書かれている場合があると思います。
中学生の頃、理科の時間に実験をしたのを覚えていますか?
水酸化ナトリウム水溶液にアルミの板を入れて、水素を発生させる実験です。
アルミフィンの汚れにカビキラーなど塩素系の洗剤をを噴射すると、たしかにカビ汚れはキレイになるのかもしれません。
ただし、アルミフィンはどうしても化学反応を起こして溶けてしまうことがありますよ。。。
エアコンのアルミフィンって、「冷房」や「除湿」運転をするとできる水分を、下のドレンパンに落としやすくするために親水加工がされています。
カビキラーなど塩素系の洗剤は、この「親水加工」自体を溶かして破壊してしまう場合が多いんです。。。
実際にアルカリ焼けで、アルミフィンのツヤが無くなって白く焼けた機種、サビが出てきている機種を何台も見てきました。
強アルカリ性で反応させて、親水加工が壊れたりアルミ部分が化学反応した最悪の場合を書いてみますと
アルミフィンが白く焼ける
↓
サビなどを誘発して劣化が進む
↓
アルミフィン奥のガス管も劣化して穴が開きガス漏れ
↓
簡単に直せないのでエアコン買い替え
これ、ありえるんですよね。。。
掃除屋が使っている「エアコン用洗剤」の中には、強いアルカリ性のモノも存在します。
でもそのアルカリ性洗剤でエアコンを洗浄した後、酸性の洗剤でリンス洗浄をして、洗ったアルミフィンなどの部分を「アルカリ性」から「中性」にもっていきます。
強い洗剤のダメージを受けないように、配慮しているわけですね。
水だけを使って洗っても、アルカリ性から中性に持っていくのはかなりの水が必要ですし難しいと思います。
部屋の中で、大量の水を使うこと自体リスクが高いですしね(;^ω^)
あと塩素系の洗剤は強いアルカリ性ですが、酸性で中和することはできません。
なぜなら
混ぜるな危険!!
塩素に酸性のモノが混じると、塩素ガスが発生しちゃうんですよね(-_-;)
この塩素ガス、吸い込んだら大惨事になります。。。
僕は一度経験あるんですけど、肺の酸素を取り込む所に塩素ガスが入ってしまうらしいんです。
肺で息が吸えなくて、酸素を取り込めなくなってパニックになりますね。。。
塩素のニオイが取れない
浴室のカビを取るために、塩素系漂白剤を使うことってありますよね。
どれだけ水で洗い流しても、塩素のニオイって残ります。
エアコンなど空調機器で塩素を使うと、どうなるかは想像できますよね・・・
吹き出し口から、塩素のくさ~いニオイが吹き出します(;^ω^)
過去に、カビキラーで掃除したというエアコンを洗いに行ったことがあります。
「ニオイが取れないのでなんとかしてくれ」って話だったんですけどね。
最初に、ニオイは取れないということをお話させてもらいました。。
「冷房」や「除湿」運転をするとアルミフィンの部分に結露で水が作られるんですけど、それでも塩素の成分が流れないんでしょうね。
吹き出し口の周辺なんて、塩素系の洗剤を使うとニオイは残りますよ。
いくら濡れたタオルで拭いても、完全に成分を拭き取ることはできないですね。。。
エアコンのシロッコファンをカビキラーで掃除?
上の章でカビキラーなど塩素系の洗剤は、強いアルカリ性で効き目が強すぎることを書きました。
拭き出し口の奥にあるシロッコファンって、カビやホコリが付きやすいですし、汚れが気になると思うんです。
でもシロッコファンにカビキラーを使った弊害って、やっぱり出てきます。
成分が残ってしまったからだとは思うんですけどね。
プラスチック製のシロッコファンなら、プラスチック自体がモロくなることがありますね。。。
エアコン洗浄をするために高圧洗浄機で水をかけただけで、シロッコファンの羽が一列全部割れたとか、ありえないことが起こります。。
エアコン本体のプラスチック部分も、塩素系の洗剤を使うのはやめた方が良いと僕は思います。
金属製のシロッコファンの場合は、錆びてしまい、その上から汚れやホコリ、カビがつきやすくなるように感じますね。
あと掃除をしているときに、どうしても汚れや洗剤が他の部分に飛んだり付着したり、下に垂れてしまうことってあると思うんです。
塩素系洗剤の怖いところは、漂白をしてしまうことなんです。
エアコンまわりの壁紙は塩素がつくと、のちのち黄色くなったり緑色になったり変色してしまう場合が多いです。
壁紙を張り替えるしか、キレイにはできないんですよね。
あと目に塩素が入った場合は、タンパク質を溶かしてしまいます。
白いもやがかかったようにモノが見えるようになったら、角膜が溶けてしまっているのですぐに眼科にいかないといけません。
そしてエアコン下の床にワックスが塗られていた場合は、強アルカリ性がワックスを溶かしてしまい、水滴跡のように跡が残る場合が多いですね。。。
エアコンのフィルター掃除にカビキラー?
エアコンのフィルタ―って、細かい網目状になっています。
樹脂製のモノが多いのではないでしょうか。
水酸化ナトリウムが入っているカビキラーなどの塩素系漂白剤は、どうしても強力な分素材自体を傷めてしまう傾向があるんですね。
フィルタ―が傷んでしまうと、掃除機で吸ったりブラシで軽くこするだけでボロボロになる場合も。。。
エアコンの説明書にも書かれている場合が多いですが、洗ってキレイにする場合は「中性洗剤」を使うのがベストですよ!!
フィルタ―を洗うからと行って、専用の洗剤を買い求める必要はありません。
一般的な中性の「住宅用洗剤」や「食器用洗剤」を使っても、キレイになりますよ♪
月に2回以上こまめにフィルタ―を掃除することで、ひどいカビ汚れを防ぐことができます。
ちなみにフィルタ―を洗うには、水をかける方向が重要です
⇒エアコンのフィルタを掃除機なしでキレイにする。水洗い?洗剤は?
まとめ
「カビキラー」など塩素系の洗剤は、強アルカリ性でかなり強い洗剤です。
カビの漂白には効果が期待できますが、アルミやプラスチックなど樹脂の素材自体を傷めてしまうことが考えられます。
エアコンの掃除でカビキラーなどの塩素系の洗剤を使うことは、やめておいたほうがいいでしょう。
部屋の中で大量の水を使うことは難しいですし、自分でエアコン洗浄を行うことはリスクが高い作業だと思います。
エアコンクリーニングを依頼する場合はおそうじ本舗など、もしもの時に保険対応をしてくれる、信頼のできる大手の業者にお願いした方がいいでしょう。
中にはクリーニング後に故障やトラブルが起こったとしても、責任を取らずに逃げていくような業者も存在しますしね。。。
どうしても業者に依頼したくない場合は、Amazonや楽天には、アルミフィン用と吹き出し口奥のシロッコファン用の洗浄スプレーのセットなんかもあります。
上記のものは、エアコンの下が汚れないように、簡易の養生シートも付属しています。
高圧洗浄機を使った実際のエアコンクリーニングほどの効果は期待できないかもしれませんが、軽い汚れ程度なら試してみるのもいいかもしれませんね。
もしも僕ならば使う洗剤は、、、泡立ちが少ない中性洗剤、消毒用エタノールあたりでしょうかねぇ。
マジックリンや食器用洗剤は泡がすごいので、水を使える量が限られたエアコン洗浄では不向きでしょう。
きっちり電装ボックスが濡れないように養生をして、下に置くバケツにつながる水路さえ確保できるなら、多めの水を使って洗い流すこともできるんですけどねぇ。。。
自分でエアコンのお掃除を考えている場合、少し参考になるかもしれません
⇒エアコンから黒いすすが落ちてくる?粒汚れが出る場合の掃除方法は?