もし、あの高級な松茸を自分で採ることができたなら…とお考えのあなた。
実は松茸の生体って、分からないことだらけではありませんか?
ここでは、松茸が生える条件とどういう場所に生えやすいのか、松茸の探し方について説明していきます。
ただし、山に入るには山の所有者の許可が必要です。
ご注意を!
松茸が生える条件とは?
何となく、うっそうと木の生い茂った薄暗い山中ならば、群生していそうなイメージの松茸ですが…
意外に、松茸が生える条件は厳しいのです。
具体的には、
① 主には、アカマツの木の根元を好む性質があり、そのほか黒松、カラマツ、コメヅカ、ツガ、ハイマツ、エゾマツ等の針葉樹の根元でも見掛けることができます。
② 時期としては、北は8月中旬から、南は10月中旬ごろまで見られます。
詳しい産地は、後程ご紹介するとして、どの産地でも、19℃あたりまで気温が下がると、松茸が出てくると言われていますよ。
以上より、木の種類と気温がポイントなことが、お分かりになると思います。
松茸が生える場所ってどんなところ?
松茸は菌類なので、ジメジメした土地を好みそうですよね。
でも実は、違うのです!
① まず第一に、日当たりの良い斜面の上あたりを好みます。
意外ですよね。
具体的には、西日が当たるか、南西からの日が当たるところです。
② 逆に、人工的にヒノキや杉の木が植林されている地帯は好みません。
そのほか雑木林のような日の当たらない密集地帯や、カブトムシやクワガタが集まるようなコナラ、クヌギ、ヤナギ等が群生しているところも好みません。
③ やせた土地を好みます。
具体的には、地面が硬く、花崗岩が細かくなり砂利のようになっている土地のことです。
④ 落ち葉がたまりにくく、水はけが良く、風通しの良いところを好みます。
なぜなら、落ち葉がたまって腐植層に変化した場所の深さが、30センチを越えると、松茸の菌が他の菌に負けて、消えてなくなってしまい、育たなくなるからです。
⑤ かつては、全国で見られた松茸ですが、現在、見られる場所は、北から北海道、青森、岩手、山形、福島、長野、京都、兵庫、和歌山、岡山、広島、山口、徳島、高知だけとなっています。
⑥ 最後に当り年の条件は、
・春から夏にかけて雨が多い。
・台風が多い。
・9月の残暑が厳しくない。
と、言われていますよ。
結果として、ジメジメではなく、むしろ反対の、日の当たる明るい場所を好むことが、お分かりいただけたかと思います。
松茸の探し方って?
松茸は、「シロ」という松茸の菌糸がアカマツ等の木の根っこから栄養分をもらい、繁殖している土壌、で成育していくのです。
ですから、そこをいち早く見付けることが大切です!
探し方のコツとしては、
・斜面を下から見上げる。
・歩き回らず、しゃがんだ姿勢をとる。
・もし1本でも、松茸を見付けられれば、群生している可能性が高いので、周りをくまなくチェックする。
(ただし、これから成育するシロなので、決して踏み荒らさないことも大切ですよ。)
・風のない日は、松茸が近くにあれば香ってくるので、匂いに敏感になること。
以上です。
もし、松茸を見付けられたならば、掘るのではなく、そっと手で採る感じにして下さいね。
せっかく見付けた松茸を傷付けることもないですし、周りのシロも荒らさずに済むので。
最後に昔からの言い伝えで、キンモクセイの香りがしてきたら、松茸の季節と言われているそうです。何だか、風流で素敵ですね。
まとめ
松茸の生える条件、好む場所、探し方のコツをお話ししてきました。いかがでしたか?ご自分で探し当てられそうですか?
忘れてはならないことは、かつては日本全国で松茸を見掛けることができたという事実です。
今は松食い虫の発生と、山の荒廃により激減してしまいました。
昔、山は生活と密接な関係にあり、定期的に燃料として、落ち葉や枯れ枝を集めていたため、きれいに保たれ、松茸が生えるための環境が各地で揃っていたのです。
たがら現在、松茸は非常に貴重で高価なものになってしまったのも分かりますよね。
松茸を食べ続けられるように、山の存在をもう一度見直すときが来ているのかもしれませんね。