通販で購入した、高級生ズワイガニの冷凍物。
家族で豪華に蟹しゃぶを!と解凍してみたら…
中の身が黒く変色していて、愕然としているあなた。
痛いほどお気持ち分かります。
せっかく奮発したのに!悲しいですよね。家族のガッカリした顔を見たら、なおさらです…
そこで、なぜ変色してしまったのか?原因をお話するとともに、食べても大丈夫なのか?味に変化はないのか?解説したいと思います。
更に、正しい冷凍保存と解凍の方法をご紹介します。
これで次からは、家族で完璧な蟹しゃぶが楽しめますよ!
蟹を冷凍したら黒いけど食べられる?
大前提として、黒く変色「黒変」するのは、生の蟹を冷凍したものを解凍した場合だけです。
ボイルした蟹は黒変しません。
なぜならその理由は、蟹の身を構成しているタンパク質が酵素により分解されていき、アミノ酸に変化することで起こるのです。
具体的には、アミノ酸の一種である「チロシン」が「チロシナーゼ」という酵素の働きにより、「メラニン」に変化することで、黒変します。
メラニンについては、一度は聞いたことがありますよね。
そう、ニキビやシミでおなじみの黒い色素の元です。
ただチロシナーゼという酵素は、熱に弱いので、ボイルすると働くなります。
だから、茹で蟹は黒変しないのです。
ただし蟹の身が黒変しても、色が変わっただけで、腐敗をしたわけではありせん。
ですから、食べることは可能です。
見た目で拒否反応を起こし、受け付けなくなってしまうかもしれませんが…
カニの冷凍保存方法とは?
まず前提として、生の蟹を購入して食べ始めたものの、「食べ切れないしなあ~。冷凍保存するか!」というのは、止めて下さいね。
先にお話しした通り、酸化して黒変してしまいますし、衛生上も良くありません。
更に冷凍しても、日持ちもしないのです。
ですので、必ず茹でたり、蒸したりと火を通してから、冷凍保存することをお勧めします。
具体的な方法としては、
① 大きな鍋に湯を沸かし、蟹を入れて15~20分茹でます。
(大きさにより時間が前後しますよ。)
② ①の粗熱が取れたら、ラップで2~3重にぐるぐる巻きにします。
③ ②を保存袋に平らになるように入れ、空気を抜きつつ封をします。
(②の時点で、用意した保存袋に入れられるように、蟹をある程度解体しておくと良いですね。)
④ ③を冷凍庫に入れて保存します。
以上です。
これで、約2週間から1ヶ月ほどは持ちますよ。
先程、生蟹は冷凍保存に向かないとお話ししましたが、非常に鮮度の良い活蟹なら、保存はオッケーです。
その場合は、ラップでグルグル巻きにするかわりに、塩水に浸した新聞紙で蟹を包み、保存袋に入れて下さいね。
それにより、蟹の内部の水分が失われるのを防げますよ。
ただこの場合は、活蟹であり、なま物です。
のんびり冷凍保存しておかず、なるべく早く食べ切ることをお勧めします。
数日以内が目安ですね。
カニの冷凍を解凍する方法とは?
蟹の身を酸化させ、黒変させないためには、冷凍保存以上に、この解凍方法にかかっています。
一番ダメな方法は、半日から丸1日かけて、ゆっくり冷蔵庫で解凍したり、室温で自然解凍することです。。。
これにより、蟹の身に残っているメラニンが働き出し、黒変させてしまうばかりではなく、ドリップ(細胞液)という名の水分が出てきて、旨味も流れ出てしまいます。
色は悪いし、味も悪いという悲しい状況になってしまうのです。
では、「短時間で解凍できる電子レンジを使用するのは?」と考えられるかもしれません。
これも、身がパサパサになり、旨味も抜けてしまうので、お勧めできません。
これらの状況を防ぐには、流水解凍が一番です!
冷凍保存した状態のまま、通販等で購入したなら、入っていた袋のまま、ご自分で冷凍保存したものなら、保存袋のまま10~20分ほど流水をかけ続けます。
完全な解凍を目指さなくても、半解凍くらいでオッケーですよ。
そのまま時間を置かずに、しゃぶしゃぶや鍋、焼いたり、蒸したり、茹でたりと調理して下さいね。
解凍後もメラニンは残っているので、放置しておくと黒変してしまいます。
素早く調理するのが、変色と旨味を逃さないために重要なことです。
更なる注意点として、解凍後にやはり使い切れないからと再冷凍したり、冷蔵庫で保存するのは、衛生的にもお勧めできませんし、味も確実に落ちます。
解凍する場合は、食べ切れる量だけにして下さいね。
ちなみにボイルした蟹の場合は、逆に冷蔵庫を用いた自然解凍がお勧めです。
ゆっくり時間をかけて解凍することで、ドリップがあまり出ず、美味しくいただけますよ。
よって、冷凍前が生なのか、ボイルしたものなのかで、お勧めの解凍方法が違います。
混同しないように注意して下さいね。
まとめ
生の蟹を冷凍保存していたものを解凍する際に、その方法を間違えしまったことで、黒変させてしまうということが、お分かりいただけたかと思います。
せっかくのズワイガニが、黒変してしまった今回は目をつぶり、味は落ちていますが、腐敗はしていないので、食べてしまいましょう。
これからは、もう失敗しないですよね。
次こそは、見た目も味も落とさずに、流水解凍と素早い調理で、美味しくいただいて下さいね。
そこには、きっと家族の笑顔があるはずです。