お正月に欠かせない鏡餅。
お餅の上に乗せるものといえば、一般的にはみかんに似た「だいだい」を思い浮かびますよね。
しかし地域によっては、鏡餅に干し柿を飾るところがあるのを知っていますか?
きちんとした理由があって、串に刺した干し柿を鏡餅に飾ります。
今回は鏡餅に飾った干し柿の食べ方、鏡餅に干し柿を飾る意味や、その干し柿をどのような数で刺すのかなどについてご紹介します。
鏡餅の干し柿の食べ方とは?
鏡餅に飾った干し柿は、もちろん食べることができます。
みかんを飾るご家庭では傷んでしまうことがあるかもしれませんし、みかんに似た「だいだい」の場合は食べれないので左義長に出したりしますね。
干し柿ならば保存食としても親しまれているものなので長く日持ちします。
もちろんそのまま食べても美味しくいただけますが、他にも干し柿を使ったおいしい料理を紹介します。
まずはお正月のおせち料理に欠かせないなますです。
大根と人参でいつも通りに作ったなますに、干し柿も同じぐらいの細さに切って加えます。
甘酸っぱいなますに干し柿はよく合うので、とても美味しくアレンジができます。
子供のいる家庭でおすすめの食べ方は、おかし作りに利用するとドライフルーツのように楽しめます。
クッキーの中に入れて焼いたり、パンの生地に混ぜ込んでも美味しく食べられます。
お手軽なアレンジ方法として、ヨーグルトに入れたりクリームチーズに乗せても美味しく食べられます。
少しおしゃれな食べ方は、クラッカーの上にヨーグルトやクリームチーズを乗せてその上に食べやすいサイズに切った干し柿を乗せて完成です。
栄養価が高く、日持ちもするのでいろいろな食べ方で楽しめていいですよね。
鏡餅の干し柿の意味は?
鏡餅の上に干し柿を飾る意味を知っていますか?
それは漢字で「喜来」という言葉を「かき」と読ませるところからきているといわれています。
喜び、嬉しいことや楽しいこと、幸せがやって来るという語呂合わせに由来しているのが干し柿です。
新年を祝うお正月にふさわしく、縁起の良い願いが込められています。
他にも、幸せや幸福を「かき」集めるという意味もあります。
たくさんの幸せをかき集めてくれるなんて、素敵ですよね。
また、ももくり3年、かき8年ということわざがありますが、柿の木は昔から長寿の木の象徴として扱われることもあり、長生きを願うという意味も込められています。
そもそも鏡餅は、なぜ丸いお餅を2個重ねているのか疑問に思ったことはありませんか?
それは「穏やかに年を重ねる」という意味で大小のお餅を重ねて飾り、この丸い形も、実は月と太陽を表現している、ともいわれています。
確かに月と太陽には穏やかな安らぎを感じますよね。
他にも、鏡餅の「鏡」は昔から神が宿るとされていた神聖なものなので、お餅を丸くすることで、その鏡をかたどっているという説もあります。
神様とともに新年を迎えられるように、という意味合いです。
一般的に鏡餅の上に乗せることが多いみかんは「代々(だいだい色)子孫が繁栄しますように」という意味が込められています。
鏡餅に飾る干し柿って数は決まっている?
鏡餅の上に干し柿を飾る場合は、みかんやだいだいのようにひとつだけ置くわけではありません。
干し柿の数にもきちんとした理由があります。
まずは干し柿の数が10個の場合。
ただ10個を等間隔に串に刺すのではなく、左から2個、6個、2個の順番で干し柿を刺していきます。
この意味は2個ずつの干し柿が「ニコニコ(2個2個)」といういつも笑顔でいられるように、という願いが込められており、真ん中の6個の干し柿は「仲(真ん中)むつ(6つ)まじく」という意味があります。
そして干し柿には白い粉がかかっていますが、それも「白髪になるまで」という意味があります。
なので「白髪になるまで長生きし、ニコニコと笑顔で、仲睦まじくいられますように」という願いが込められているのです。
干し柿の刺し方ひとつで、とても素敵な意味になります。
また、干し柿の数が5個の場合。
左から1個、3個、1個の順番で干し柿を串に刺します。
このときの意味は「ひとり(1個)ひとり(1個)がみんな(3個)幸せになりますように」という語呂合わせがついています。
家族ひとりひとりがみんな幸せになれるように、との願いが込められています。
まとめ
鏡餅に干し柿を飾る意味や、干し柿をいくつ飾るのかを紹介しました。
干し柿の「喜びが来る」という縁起の良い語呂合わせや、干し柿をいくつ串に刺すかでもきちんとした素敵な意味がありました。
鏡餅に干し柿を飾った後は美味しくいただくこともできるので、ぜひ今年は鏡餅に干し柿を飾ってみてはいかがでしょうか?