日本人に馴染みの深い大豆食品、毎日食べているという人は多いのではないでしょうか。
豆腐以外にも、大豆食品はたくさんあるのでいろいろ選べるのも嬉しいですよね。
今回は、湯葉と豆乳の違い、豆腐と豆乳の違い、おからと豆腐の違いを栄養面や作り方の視点でご紹介していきます。
湯葉と豆腐の違いって?
湯葉と聞くと京都を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
ちょっと高級なイメージを持っている人も多いです。
でも、湯葉と豆腐の違いがイマイチよく分からないことってありませんか?
湯葉も豆腐も原料は大豆で、どちらも作るためには豆乳が必要です。
湯葉は、豆乳を80℃くらいまで温めて、表面に浮かんできた膜をそっとすくい上げたものなんです。
豆乳は温めることによって対流が起きて、上の方に栄養が集まってくるんですよ。
ですので、豆乳の濃度が濃くなってその表面に張った膜をすくい上げる湯葉には、豆乳の栄養がぎっしり詰まっているんですね。
湯葉の栄養は豆腐と比べて、たんぱく質・炭水化物・マグネシウムは約3倍、鉄・亜鉛が約4倍、カリウム・リンは約2倍になっています。豆腐よりも非常に栄養価が高いのが分かりますね。
一方で豆腐は、豆乳を75~80℃くらいまで温めてにがりなどを加えて固めたものです。
にがりの成分である塩化マグネシウムなどがたんぱく質と反応することで固まるんですよ。
豆腐のたんぱく質などの栄養価は湯葉よりも低いですが、カルシウムは豆腐の方が多いんです。
100gの木綿豆腐に含まれるカルシウム量は120㎎で、吸収が難しいと言われるカルシウムは豆腐の良質なたんぱく質によって格段に吸収されるようになっているんですよ。
豆腐と豆乳の違いは?
湯葉や豆腐を作る時に必要なのが豆乳です。
豆乳も大豆が原料で、豆腐に固める前の乳液状になっているものを指します。
豆腐を作る段階で大豆を煮た時にできた搾り汁のことなんですよ。
豆乳は大きく「無調整豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料」の3つに分類されます。
これは、日本農林規格(JAS)によって区分され、大豆固形分(製造された製品から水分を除いた残りの成分)がどの程度含まれているかで分けられるんです。
パッケージに明記されているので、購入する時に確認できますよ。
栄養面では、豆乳より豆腐のほうが多く栄養が含まれていることが多いです。
豆腐に含まれるたんぱく質は豆乳の1.5~2倍程度で、絹ごし豆腐よりも木綿豆腐のほうがたんぱく質が多いです。
脂質も豆腐の方が多く含まれています。
ただし、これは無調整豆乳と比べたことが前提です。調整豆乳や豆乳飲料では風味原料などが含まれているため、豆腐よりも脂質が多くなっているものもあるんですよ。
ビタミンも豆乳より豆腐の方が多いですが、豆乳の方が多く含まれているビタミンもあるんです。
それは、葉酸です。
葉酸は細胞を活性化させるために不可欠なビタミンで、胎児の発育に重要な栄養素です。
そのため、妊娠前や妊娠中には必要な栄養素なんですよ。
無調整豆乳なら、豆腐の2倍以上も葉酸が含まれているんです。
おからと豆腐の違いとは?
おからを積極的に食べている人は少ないかもしれませんね。
ですが、おからも大豆食品なのでとても健康に良い食品なんですよ。
おからは、豆腐を作る時にできる副産物です。
豆腐を作っている途中で豆乳を搾った時に残る搾りカスなんですよ。
ですので、おからには大豆の皮や胚芽部分などの繊維質がほとんど残っているんです。
おからは主に3つのタイプに分類されます。
「生おから」、「乾燥おから」、「おからパウダー」です。
生おからは一般的に「おから」と呼ばれているもので、豆腐専門店で購入できます。
水分を多く含むのであまり日持ちしません。
乾燥おからは、生おからを乾燥させて日持ちするように加工したものです。
その乾燥おからの粒子をより細かくしたものがおからパウダーですよ。
おからには食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には便通を改善し有害物質の腸内滞留を防ぐほかに、高コレステロールや肥満を予防する効果が期待できます。
おからは繊維質以外にもたんぱく質や脂質も含まれていますが、豆腐ほど多くはありません。
ただ、大豆の皮や胚芽に含まれる微量な成分が含まれているため、豆腐と比べても栄養面で劣ることは無いんですよ。
ハンバーグやお菓子にも使えるので、手軽に摂取することが出来るんです。
まとめ
湯葉は豆乳を温めた時に上に張る膜のことを言います。
その豆乳ににがりを入れて固めることで出来るのが豆腐です。
豆乳は、豆腐を作る前の大豆を煮ている段階で出来た搾り汁のことで液体になっているものですよ。
湯葉は豆乳の栄養素が最も凝縮されて出来ているので、とても栄養価の高い食材です。
たんぱく質・脂質・鉄・亜鉛など身体にとって重要な栄養素が豊富に含まれていますよ。
豆腐が湯葉よりも優れている栄養素はカルシウムです。
カルシウムは吸収が難しいのですが、豆腐の良質なたんぱく質によって吸収率が良くなるんですよ。
おからは、豆乳を作った時にできる搾りカスです。
大豆の皮や胚芽部分も含まれるので、繊維質が豊富に含まれていますよ。
食物繊維が豊富なので、便通を改善し腸内環境を整えたり肥満を予防してくれる優秀な食材です。
大豆食品は私達の身体にはとても優秀で、欠かすことのできない豊富な栄養素が含まれています。
手軽に摂れる大豆食品で、健康的な身体を目指しましょう。