家で保存していた里芋に、芽が出てきてしまったら、もう食べられないでしょうか?
芽には毒があるといいう話もありますが、本当なのでしょうか?
せっかくの里芋なのに、そのまま処分するしかないのかしら?
ここでは、里芋の芽には毒があるのか、芽は食べても大丈夫なのか、里芋から出てきた芽について詳しく説明します。
里芋の芽には毒がある?
じゃがいもの芽は毒があることで有名ですが、里芋の場合はどうなのでしょうか?
実は、そもそも、里芋の部分はタネでなく、塊茎といって、地下にある茎の部分。
その茎から出てきたもの、私たちが芽と言っているものは、葉柄です。
葉柄とは、葉の一部であり、葉と茎をつなげる部分を指します。
ということは、里芋の芽と思っていた部分には毒はありません。
むしろ、栄養豊富で、体内の毒素を排出してくれる働きがありますから、食べないで捨ててしまってはもったいない部分です。
里芋の芽は食べられる
里芋の芽と思っていた部分、毒はないので食べても大丈夫ですが、芽の色によって注意した方がいい場合があります。
まず、白い芽はアクが少なく、美味しく食べられます。
赤い芽も食べられますが、アクが強いので、アク抜きをしてから、食べると良いでしょう。
緑色の芽はアクが強すぎるので、食べても問題ないですが、美味しくないので、おすすめできません。
緑色の芽が出た里芋もアクが大変強いですから、厚めに皮を剥いて、調理に使うこともできますが、なかなかえぐみを取り除くことは難しいです。
エリアによっては、この里芋の芽を食材とした郷土料理があります。
三重県津市では、里芋の品種「八つ頭」の親芋に生えた芽を育たせたものが流通しています。
これを「芸濃ずいき」と呼び、芽の色が小豆色で、京料理に用いられることが多いです。
奈良県では、里芋の品種「海老芋」の親芋に生えた赤い芽を遮光して栽培し、白く柔らかなものに育てあげ、これを「軟白ずいき」「白ずいき」と呼び、大和野菜にも選定されています。
とても手間がかかる栽培なので、高級食材になっています。
千葉県柏市では、里芋の白い芽の部分だけを収穫し、「根芋」と呼び、高級和食に用いられています。
里芋の芽を食べる風習がある地域もあるのですね。
それから、芽が出た里芋をそのままにしておくと、どんどん味が落ちてしまいます。
食べないで、まだ保存し続ける時は、芽を取り除きましょう。
そして、その里芋はいつも以上にアク抜きをしてから、調理に使うといいですね。
また、芽が出た里芋を植えて、栽培することも可能です。
一つの里芋からたくさんの芽が出てきたら、一番立派な芽以外は取り除き、さらに大きな芽になるように育てていきます。
春に植えると、秋には収穫できますので、楽しみですね。
里芋の芽のアク抜く方法は?
代表的なアク抜き方法は酢水を使います。
このアクの主成分はシュウ酸カルシウムで、食べると喉を刺激しますし、ピリピリと舌を差す感じになりますから、必ず、アク抜きを行いましょう。
30分から1時間ほど、酢水に浸すと、アク抜き完了です。
アク抜きをした里芋の芽は、煮物、炒め物、天ぷらなど、いろいろな料理に使えます。
特別に調理しなくても、水気をよく切って、味噌をつけて食べたり、刺身のツマと一緒に刻んで盛り付けたりしてもいいですね。
但し、里芋の芽の皮を剥く時はアクで手がかぶれますし、黒くなってしまいますから、キッチングローブなどをはめるようにしましょう。
また、酢水に浸しただけではアクが抜けきらないことがあります。
その場合には下茹でする時に、大根おろしと唐辛子を入れると効果的です。
里芋の芽と呼ばれる部分、大昔の食糧難の時代には食べられていましたが、下処理に手間がかかるので、徐々に食べられなくなってしました。
しかし、栄養価が高いということで、再注目されている食材ですから、アク抜き方法をマスターして、食べてみてくださいね。
まとめ
じゃがいもの芽には毒があると有名ですが、里芋の芽には毒はなく、アク抜きをすれば食べられます。
栄養があり、地方では郷土料理で使われることが多い里芋の芽。
酢水に浸けたり、大根おろしと唐辛子で下茹でしたりして、しっかりとアク抜きすると、えぐみがなくなります。
再注目されている里芋の芽、ぜひ、食べてみてくださいね。