タイムカードがある職場は残業代もしっかり払ってくれる良い会社と思ったら、実はそうでもないことがあるのです。
タイムカードを勝手に操作されてしまい、残業しても給料がもらえないなんて、ひど過ぎますよね。
ここでは、タイムカードを会社の人間に勝手に押される、会社がタイムカードを改ざんしている、労働基準監督署へタイムカードの改ざんを訴える方法について説明します。
タイムカードを勝手に押される…
職場に着いたら、ロッカーなどに荷物を置いて、制服などがある場合は着替えて、それからタイムカードを押して、仕事を開始する人が多いと思います。
そして、仕事が終わると、タイムカードを押してから、着替えなどして、職場を出ますよね。
しかし、仕事が終わっていないのに、定時になるとタイムカードを勝手に押されてしまい、それでも、仕事が残っているから残業せざるを得ない状況になっている職場もあるのです。。。
また、法律的に残業は月100時間までとされているので、それ以上残業しても、先にタイムカードを押されてしまう場合もあるらしいです。
つまり、タイムカードの記録としては、残業時間が月100時間を超えないように調整しているのです。
どちらも結果的にサービス残業を強要されていることになり、とても許せない行為です。
まさに、ブラック企業の手口といったところでしょうか。
こういったことに従ってしまうと、何度も繰り返されてしまいます。
タイムカードを勝手に押されたら、仕事が残っていても、今日は退社するとはっきり態度で示すことが大切です。
会社がタイムカードを改ざんしている…
では、タイムカードを自分で押している場合は問題ないのでしょうか?
確実にその場で印字されるようなタイプのタイムカードであれば大丈夫ですが、後からデータを操作できるようなタイプのタイムカードの場合は注意が必要です。
自分ではきちんと出社時と退社時にタイムカードを押していても、データが改ざんされてしまう可能性があるからです。
ですから、給与明細が渡されたら、自分の勤務時間と見比べ、正しく振り込まれていないか確認しましょう。
もし、計算が合わない場合は職場に問い合わせしてください。
残業代を支払うことは労働基準法第37条第1項で定められており、支払わない場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されます(労働基準法第119条第1項)。
また、労働基準法第114条によると、未払い金のほかに、同一額の付加金の支払いも命ぜられます。
また、労働基準監督署の監査などがあった時に提出したタイムカードが改ざんされていたことが発覚すれば、30万円以下の罰金に処されます(労働基準法第120条第4項)。
さらに、職場が労働時間を改ざんしているとなると、労働契約法第5条にある労働者に対する安全配慮義務が果たされていないことになります。
タイムカードの改ざんは多くの法に触れてしまうものなのに、改ざん自体を指摘するのは大変難しいこと。
それには、タイムカードに記録されている勤務時間は正しくないことを証明しなければなりません。
次は、タイムカードの改ざんを訴えるための証拠について説明します。
労働基準監督署へタイムカードの改ざんを訴えるには?
タイムカードが改ざんされても、労働基準監督署に訴え、残業代を請求することが可能です。
まず、正しい勤務時間を証明してくれるものを集めます。
下記のような、客観的に出・退社時間を記録できるものが望ましいです。
〇仕事で使用したパソコンのデータの保存時間
〇職場のパソコンのログイン・ログオフ履歴
〇職場のパソコンメールの送受信履歴
〇職場からの連絡のLINEやメール
〇退社時に職場の時計の時刻を撮影した写真
〇交通系ICカードの印字
〇家族への帰宅連絡のLINEやメール
〇スマホのGPS機能を使って会社にいた時間を正確に測るアプリ
証拠がそろったら、労働基準監督署に相談に行きます。
この時、匿名で相談したのではなかなか職場側への調査に乗り出してもらえないようです。
実名を明かせば、職場に知れ渡ってしまい、気まずくなる心配があるでしょうが、このまま泣き寝入りではサービス残業が続いてしまいます。
転職も想定しつつ、実名で行動に出てみてはいかがでしょうか。
できれば、労働基準監督署に相談に行く前に、社内にあれば相談窓口や労働組合に話してみることをおすすめします。
ここならば、匿名でも職場側を調査してくれる可能性があり、タイムカードの改ざんが是正された後も、職場の人間関係にダメージが少ないでしょう。
まとめ
仕事を定時までに終わらせなかった自分のせいだから、サービス残業でも仕方がないということはありません。
全て、職場と従業員の契約によるものですから就業規則が勤務時間に合わせて給与が支払われるとなっているのなら、残業代を請求することは従業員の正当な権利です。
タイムカードを偽造したり、改ざんしたりするようなことはブラック企業のスタンダードなやり方とも言えます。
タイムカードに頼らず、自分でも勤務時間を記録し、給与明細と照らし合わせることが重要です。
もし労働基準監督署が「臨検」に入って是正をうながしても、そのうち元の状態に戻ってしまう会社もありますね。
そういう場合は、転職を考えてみるのもいいのかもしれません。
もしなかなか会社を辞めることができない環境の場合は、退職代行に依頼するのもアリでしょう。
女性専用の退職代行も存在します。
私がいたような悪質なブラック企業の場合は、弁護士が動いてくれる法律事務所の退職代行が良いかもしれませんね。