仕事中に、これってちょっとセクハラじゃない?と思ったら、どうしたらいいのでしょうか?
その場でやめてくださいと言うべきかもしれませんが、本人に直接言えないもの。
だからといって、同僚や上司に相談しても社内中の噂になってしまうだけかもしれません。
そんな時、職場以外でセクハラの相談ができるところを知りたいですよね。
ここでは、セクハラの相談先や解決までの流れ、労働局と労働基準監督署の違いを説明していきます。
セクハラを職場以外で相談できる場所とは?
まず「相談」として思いつくのが、家族や友人といった辺りでしょうか?
あなたの人となりを知っている人たちですから、同情し、慰めてくれるでしょうが、解決には至りませんよね。
平成9年に男女雇用機会均等法で社内のセクハラ対策を義務づけられることになり、セクハラ相談窓口を設置する職場は増えています。
しかし、明確な証拠などがそろわないと、解決に乗り出してもらえない場合がありますね。。。
1回なら、たまになら、お世話になっている上司だから我慢するなんて考えているあなた。
それが相手を付け上がらせてしまいます。
自分にスキがあるから仕方がないってことありません。
職場でのセクハラは男女雇用機会均等法第11条に違反する行為ですから、どうか泣き寝入りしないでくださいね。
次は、社外でセクハラの相談が出来る場所を説明します。
セクハラの相談は労働局にする?
勇気を振り絞って職場の上司や同僚、相談窓口に報告したけれど、何も改善されないという時に使えるのが労働局にある総合労働相談コーナーです。
各都道府県地域に存在し、解雇、労働条件、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、セクハラなどの労働問題の相談を受け付けてくれます。
面接だけでなく、電話でも労働問題専門の相談員が受け付けてくれて、労働局長が問題点を指摘し、解決の方向を示唆してくれます。
また、紛争調整委員会によるあっせん制度により早期に問題解決をしてくれるそうです。
なお、労働者が相談したことを理由に、職場側が労働者を解雇したり、不利益を被ったりすることは許されていません。
弁護士さんもセクハラの相談はできますが、初回相談は無料であったとしても、どうしても徐々に有料になっていきます。
労働局と労働基準監督署の違いとは?
では、労働問題の駆け込み寺的存在の労働基準監督署でも相談にのってもらえるのでしょうか?
セクハラはたしかに違法行為なのですが、労働基準監督署は労働基準法などの違法を取り締まっているので、労働基準法以外の相談内容だと管轄外になってしまいます。
なので労働基準監督署に相談に行っても、労働局への相談を勧められてしまいますね。
だから、まずは労働局に相談しましょう。
労働局は労働基準監督署と違い、労働者と職場の間に入ってトラブルを解決してくれます。
労働局での相談、和解あっせんはすべて無料なので利用しやすいですが、残念ながら、公的機関でありながら法的強制力がないのが欠点です。
たとえ、労働局が職場に話を持ちかけて、職場側が無視しても、全く罰則がないのです。
ですから、完全なセクハラ問題の解決には弁護士さんに相談した方がいい場合もあるでしょう。
しかし、労働局のあっせんによる紛争解決となると、公の場で職場側と当事者との話し合いが持たれます。
直接顔を合わすことはなく、指定された部屋に交替で入り、あっせん委員が内容を確認し、和解を進めてくれます。
訴訟のように勝敗がはっきりつくわけではありませんが、時間がかからず、証拠がなくても公的な第三者がじっくり話を聞いてくれます。
不快に感じたけれどセクハラに該当するか微妙なケース、職場側も加害者もセクハラを認めないケースが多いですから,当事者だけでは解決ができないもの。
このようなあっせん制度を利用して早期解決出来たら嬉しいですよね。
もちろん、非公開で行われますから、当事者のプライバシーは保護されます。
あっせんで決着せず訴訟になると、当事者はもちろん、職場も名前が公表になりますし、費用も時間もかかってきます。
それは、職場側も極力避けたいと考えるではないでしょうか。
セクハラのあっせん解決事例をネット検索しますと、解決金や慰謝料が支払われたケースもありました。
まとめ
セクハラ被害に遭って、証拠を残すのは難しいですよね。
セクハラ行為の多くは誰にも気づかれない場所で行われるので、被害者の主張が本当のことなのか証拠がないと第三者に分かってもらえにくいのは分かります。
証拠を残せないと思っているから加害者はセクハラを繰り返すのです。
ですが、労働局のあっせんなら、証拠がなくても、きちんと対処してもらえます。
セクハラ被害から逃げるには転職しかないと諦めないで、労働局に相談に行ってみてくださいね。
それから、職場トラブルが無いことが一番ですが、このような非公開で、なお無料で、労働問題を解決できるあっせん制度があることがもっと知られるようになることを願っています。