海のミルクと呼ばれている牡蠣。鍋に入れたり、カキフライやソテーにするなどさまざまな食べ方が楽しめます。
スーパーで売っている牡蠣には「生食用」と書かれたモノもありますが、本当に生で食べても大丈夫なのか、あたったりしないか不安になりませんか?
今回は、「生食用」の牡蠣はそのまま食べられるのか、「生食用」と「加熱用」の牡蠣の違いは何か、「生食用」牡蠣を食べる前の下処理方法についてご紹介します。
牡蠣の生食用って本当に生で食べれる?
牡蠣は鉄分や亜鉛など、日本人に不足しがちな栄養素が含まれている食材で、生のまま食べたり鍋に入れたりと様々な食べ方がありますね。
スーパーに行くと、「生食用」と「加熱用」の2種類があります。
「生食用」は本当にそのまま食べても大丈夫なのか気になったことはありませんか?
「生食用」と書かれていれば、お刺身と同じように生のまま食べられますよ。
生食用の牡蠣はとてものどごしが良く、加熱用では味わえない食感が楽しめます。
ですが、生食用とはいえ、そのまま食べるのは食中毒の可能性が心配と思うこともありますよね。
食中毒が心配な場合は、生食用の牡蠣を加熱して食べてもいいかも…と思いたくなります。
でもちょっと待ってください!
生食用の牡蠣を加熱しても問題なく食べることはできますが、せっかくの美味しい牡蠣がもったいないですよ。
生食用の牡蠣はもともと身が痩せているので、加熱してしまうとさらに身が縮んでしまい、とっても寂しい牡蠣になってしまいます。
縮んでしまうと、せっかくの牡蠣の味を楽しむことが出来なくなってしまうので、生食用の牡蠣を加熱することはオススメできないんです。
加熱用の牡蠣は、身が厚いし加熱しても縮むことはありません。
食中毒などが心配なのであれば、加熱用の牡蠣をしっかりと加熱してから食べるほうが、牡蠣の味を存分に楽しむことが出来ますよ。
牡蠣の生食用と加熱用の違いとは?
そもそも生食用の牡蠣と加熱用の牡蠣は何が違うのでしょうか?
「加熱用となっていると、鮮度が落ちているから?」と勘ぐってしまいそうですが、実は鮮度の違いで分けられているわけではないんです。
生食用と加熱用の牡蠣の違いは、牡蠣が育つ場所の違いなんです。
生食用の牡蠣は、生で食べることが前提で養殖されているんです。
保健所が定めた雑菌などの少ない「指定海域」で養殖されています。
定期的に保健所が水質を検査して、基準をクリアした清浄な海域でしか獲れたものしか生食用の牡蠣にはならないんです。
しかも、水揚げされた後にも滅菌洗浄を行い、殺菌処理された海水と一緒にパック詰めされます。
だからそのまま食べても大丈夫なんですね。
ただ、殺菌洗浄する時に牡蠣には2日~3日断食してもらうので、加熱用と比べると身が痩せていたり、水っぽくなっていることがあります。
加熱用の牡蠣は、特に海域の指定などは無く河口や沿岸などの栄養濃度の高い海域で養殖されています。
生食用の牡蠣と比べて、加熱用の牡蠣は身が大粒でしっかりしています。
さらに、うま味や栄養成分が豊富なので味が濃くて美味しいんですね。
でも、味が濃くて味しいからと言って、加熱用の牡蠣を加熱せずに食べることは絶対にしてはいけません。
なぜかというと、加熱用の牡蠣にはノロウィルスなどの食中毒を引き起こすようなウィルスや菌が潜んでいる可能性があるからです。
必ず、牡蠣の中心部が85℃~90℃になるようにして90秒以上しっかり加熱してから食べるようにしてください。
生牡蠣ならではの、のどごしや食感を楽しみたい時には生食用を、鍋やカキフライなどの加熱する料理で牡蠣ならではの濃厚なうま味を楽しみたい場合には加熱用というように、料理に合わせて選んでくださいね。
ただし、他のお刺身と同様ですが100%菌がいないわけではないので、体調が優れない時や妊婦さん、小さなお子様は食べるのを控えたほうがいいですよ。
牡蠣を生食する時は下処理って必要?
生食用と書いてあれば、そのまま食べても大丈夫です。
ですが、商品によっては買ってきたままだと汚れや臭みがある場合もあります。
下処理をしてから食べるほうが美味しく食べられますよ。
下処理の方法は、
1.ざるなどに牡蠣を移し、塩を適当に入れます。洗い流すので多めに入れても大丈夫ですよ。
2.身を崩さないように気を付けながら、手で優しくもみ洗いする
3.ヌメリが取れてきたら、水で洗い流す
4.真夏など水道水の水温が高い時には、最後に氷水で締めると美味しいですよ。
これだけで生食用の牡蠣の下処理は終わりです。
簡単ですよね。
買ってきてそのまま食べるほうが楽ではありますが、せっかくなら美味しく食べたいですし、ちょっとの手間なのでぜひ下処理をしてから食べてみてくださいね。
まとめ
生食用の牡蠣はそのまま食べることが出来ます。
生食用の牡蠣は加熱してしまうと、身が縮んで美味しくないです。
食中毒などが心配なら加熱用の牡蠣を使ってしっかり加熱してから食べるようにしてください。
生食用と加熱用の牡蠣の違いは、鮮度の違いではなく養殖されている場所の違いです。
生食用は保健所が定めた清浄な海域で、加熱用は沿岸などの栄養豊富な海域で養殖されています。
生食用の牡蠣は下処理をしてから食べることをオススメします。
塩をまぶして、手で身を崩さないように優しく洗ってください。ヌメリが取れたら水で洗い流して下処理終了です。
日本人に不足しがちな栄養素が含まれている牡蠣。
生食用と加熱用の両方の牡蠣を食べてみて、それぞれの味の魅力を感じてみてはいかがですか?
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