難病持ちを理由に会社を解雇されてから、会社の不正な帳簿のつけ方や脱税していることを、税務署に通報することになりました。
ハローワーク、労働局、労働基準監督署に相談をして動いてもらって、その後で税務署への告発となりました。
実際に税務署に告発した時のこと、税務調査に入った翌日に電話で呼び出しを受けたこと、呼び出しをされた税務署で実際に調査官とやりとりした事について綴って行きます。
ブラック企業が脱税していたことを税務署に通報した
正直に言ってしまうと、「会社が脱税をしているのに気づいて税務署に告発をした!」というのとは、少し違うんです。。。
労働基準監督署にクビにされた会社に調査に入ってもらったんですけど、警察と同じ権限を持っている労基署でも悪質過ぎて手に負えず、「税務署に調査に入ってもらって、帳簿を偽装しているのを是正してもらうしかないよ。。。」と勧められたからだったんです。
まぁ、タイムカードも無ければ健康診断もない、知らないうちに僕の名前のハンコが作られていて、そのハンコを押された書類が存在しているっていうとんでもない会社でした。。。
会社って厚生年金や健康保険など、従業員を雇うことで負担金が発生するじゃないですか?
もともとその負担金がもったいないからと、厚生年金も健康保険も加入してくれなかったんです。。。
初めの頃は雇用保険だけかけられていましたね、そういえば。
それが年金事務所から、厚生年金未加入で呼び出しを食らいましてね。
かなりお説教をされたにもかかわらず、従業員の福利厚生にお金を使うのがもったいないと、支払われていたお給料のうちの10万円分にだけ厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険がかけられ、残りの額のお給料はグループ会社の一つから「外注費」という形で
支払われるようになったんです。。
「厚生年金って無駄なものに金を払ったら、会社が潰れるわ」社長と取締役から言われたセリフです。
健康診断もない状態で難病を患ってしまい、それを理由に僕は会社を解雇されたのですが、雇用保険の適正額を受給できないことをハローワークや労働局に相談し、流れで労働基準監督署に調査に入ってもらったんです。
労働基準法違反は一つどころかいくつも見つかりまして、労基署は是正勧告書を渡したそうなのですが、タイムカードが無いこと、会社の義務である「労働者名簿」と「出勤簿」が作成されていなかったことが原因で、「賃金台帳」の不正を是正できなかったんです。
「給料」を関連会社と二分割にする時点で、まぁありえないんですけどね。
税務署の人の話では、給料を別の会社と分けて払うのも異常で、「外注費」だと「経費」扱いにできるそうで、消費税の額にも影響が出る場合があるそうです。
会社の義務である「賃金台帳」「労働者名簿」「出勤簿」の作成をキチンと行っていたら、こんなことできるわけないんですけどね。
税務署への告発ですが、僕は税務署に行って、受付の人に「労働基準監督署」から税務署に相談するように勧められたことを話しました。
そして自分の名前を伝え、会社が不正な帳簿のつけ方をしていること、脱税をしているであろう手口を伝えると、「専門の調査官を呼ぶ」と言われ少し待たされましたね。
やってきた調査官に、給料が二分割されていた証拠として「5年分の給料明細」、お金の流れが分かるように「5年分の銀行通帳のコピー」、「会社から提出を強制されていた、手書きのウソの請求書の原本」を提出しました。
ある月を境に、給料明細と通帳に入金された給料の額が10万円になっているんです。
そして、給料の支払い日と同じ日に、関連会社から「外注費」として残りの給料が支払われています。
しかも「外注費」なのに、毎月同じ額が・・・
まぁね、銀行通帳の記載をみたらおかしいってわかるじゃないですか(笑)
ブラック会社のお偉いさんは、このことに気づかなかったんでしょうね。
あと、関連会社で働いていないのに外注扱いされていたのが分かるように「自分の名刺」「僕の上司に当たる、社長と取締役の名刺」「雇用されていた会社から支給されていたETCカードとガソリンカードのコピー」、その他数種類の書類のコピーも提出しました。
証拠となるものを見てもらって完全に”黒”だと判断されまして、「詳しい話を聞かせてください」といわれ、別室に連れていかれました(笑)
別室では税務署の職員が3人に対し私が対面する形となりました。
刑事ドラマでの取り調べ室みたいな感じではありませんが、木の机がある狭い部屋でした。
そして給料が二分割されるようになったいきさつ、普段の仕事の状況、僕以外にも給料が二分割されていた従業員がいること…etcお話させてもらいました。
この時に、僕が知らない間に僕名義のハンコが作られて会社で使われていることを伝えると、持っているハンコの提出を求められました。
実印は普段使わないので、「認印」「銀行印」「シャチハタ印」の印鑑の跡を証拠として提出させられましたね。
税務署に僕が通報に告発に行ったのは12月の末だったんですけど、3月に申告シーズンを控えてることを理由に「おそらく税務調査に入るのは、申告シーズンが終わってからになる。。。」と言われましたね。
そして、「税務調査に入る前に、もう一度税務署に足を運んでいただいて、私の上司に今日話してくれたことをもう一度お話していただいてかまいませんか?調書を作ることになるので…」と言われました。
税務署から呼び出され、調査に入った時のことを伝えられる
税務署から電話がかかってきたのは、4月11日の朝でした。
「会社と関連会社に2日かけて税務調査に入りました。調書を作りたいので、税務署にお越しいただけませんか?」との内容でしたね。
税務調査の前に調書を作るので…という話でしたが、調査に入った後にズレこんだようです。
結局11日と12日の夕方に税務署に行き、調書作りのための質問というか問答みたいなことが行われました。
12月に告発に行った時に話したことと同じ内容のことを、もう一度税務調査に入った方二人と、その上司の前でお話しました。
そして、税務調査に入ったときのことを教えてくれましたよ。
取締役が、「給料を二分割にして支払うことで、従業員は厚生年金を過小金額しか払わないでよくなって、みんな喜んでいた」
「従業員の方から、厚生年金や健康保険の金額を抑えてくれと言われて、仕方なくした…」と言っていたって話とか(笑)
そんなわけあるかよ・・・怒
実際は、「厚生年金や健康保険の金額を負担したら、会社がつぶれてしまう。」
「でも厚生年金に加盟しないと年金事務所から怒られる。」
「最低10万円から厚生年金をかけられるし、会社からの給料を10万円にしてその金額にだけ厚生年金をかけるわ。」
「残りの給料は、関連会社から”外注費”として支払います。外注費にしたら”経費”扱いにできるし、節税になるから。」
「厚生年金の会社負担分は1万円くらいになるから、給料の総額は今までの給料より1万下がるわ(笑)」
「会社がつぶれて、家のローンが払えなくなるよりマシやろ?」
「お前をクビにすることはないし、将来の年金なんて国民年金も厚生年金もつぶれているわ」
って言われていたんですけどね。。。
給料を二分割されていない人間もいたので、なぜなのか聞いたら「ハローワークで採用した人間にこの手を使ったら、バレた時に面倒だから…」とまで言われていました。
あと、一昨年に取締役個人に税務調査が入ってから、税務署に目をつけられた時の対策として、関連会社あての外注費としての請求書を2年分まとめて出すように強要されていました。
当時僕自身も会社自体に不満をもっていましたし、請求書が「おかしい」とわかるように、誰かが見ても「おかしい書き方がされた請求書」だとわかるように、月をさかのぼっていく順で2年分書きました。
今回税務署にも証拠としてこの請求書の原本を出しましたが、調査にあたる証拠として「おかしい」書き方がされた請求書が、重要資料として採用されたようです(笑)
後で書きますが、これだけ会社が苦しいと言いながら、社長と取締役の母親(同一人物)には、働いてもいないのに毎月「給料」が支払われていたようです。
「社長のお母さんって、普段会社でどんな仕事してたの?仕事をしていた内容を教えてほしい」って聞かれました。
ショックでしたね。。。
笑えたのが、「お願いしても社長は顔を出さなかったのですが、どんな人?本当にいるの?」と聞かれたことでしょうか。
普段遊んでサボってばかりいて、仕事してませんよ。
昼まで寝てることも多いですし。
税務調査の時は、いらないことを話すとまずいので、取締役から「来るな」と言われていたのかもしれません。(実は二人は兄弟)
税務署の調査に協力?
税務調査に入った方二人と上司に当たる方三人と、いろいろな質疑というかお話をさせてもらいました。
ただ今思うと、会社のことや仕事のこと、???と思うことまで聞かれたのですが、怪しいことがないか僕を探っていた部分もあるんでしょうね。
あとは話の内容で、帳簿のつけかたにおかしな点がないかということだったのではないかと。
税務調査官から聞かれた事を書いてみますね
・僕がハローワーク、労働局、労働基準監督署、年金事務所に相談に行くことになった顛末
・僕が社会保険労務士に相談した時の、社労士の判断
・僕が弁護士に相談した時の、弁護士の判断
・給料が二分割されて支払われるようになったいきさつ
・労働基準監督署の臨検調査の判断と結果
・提出した証拠資料の内容と整合性
・過去に会社に税務調査に入ったあと、会社は何か変わったか?
・社長と取締役の仲(二人は兄弟。帳簿など事務は弟である取締役の妻がやっている)
・社長と取締役のお母さんは会社でどんな仕事をしていたか?(働いていないのに、会社から給料としてお金が支払われていたらしい。給料とお金の譲渡だと税率が違うらしい)
・社長と取締役の家族について(過去の税務調査で、社長が会社の売り上げをフトコロに入れていたことが発覚している…)
・社長と取締役の性格・会社で本当の決定権があるのは誰なのか?
・会社や関連会社の規模、従業の数、外注の有無(僕以外にも給料を二分割されている従業員がいた。関連会社の経営陣は、僕がいた会社の社長と取締役の同一人物 )
・小さい会社なのに、従業員の出入りが激しいのはなぜなのか?
・社長と従業員の仲・過去に解雇された従業員のことや解雇方法と解雇理由
・従業員同士の仲や会話の有無
・仕事の取引先と取引先からの会社の評価(調査協力??)
・取引先金融機関(お金の流れを調べるため?)
・社長と取締役に愛人の有無
・社長と取締役の副業について(二人の副業である不動産や事業用の太陽光発電のお金の出どころを聞かれた。たしかに僕もおかしいと思っていた)
・社長と取締役におかしな行動はなかったか?(社長が会社のお金プライベートのモノを買って70万ほど帳簿の金額が合わなくなった。二人ともごはん屋に毎日行くたびに、領収書をもらっているのはチクってやった笑)
・普段僕がどういう仕事をしていたのか?
・仕事の手配や段取りはどうやってされていたか?
・会社から貸し出されていたスマホのこと
・会社のガソリンカードやETCカードの使い方
・店でもらっていた領収書はどうしていたか?(会社名や品名を書いてもらっていたか)
ここに書いて大丈夫そうなことはこれくらいでしょうか(笑)
いや~、本当にブラックすぎて書けないこともいっぱいありまして。。。
こちらからは、
・「離職票」に書かれた毎月の給料額が、給料明細と違っていた事
・取締役に関しては、脱税になることがわかっていることを口にしていたこと
・「従業員名簿」「出勤簿」が作成されていない上で「賃金台帳」が偽装されていること
・5年間会社にいて、一度たりとも棚卸を行ったことがないこと
・毎年締めの時に金額が合わないので、「使途不明金」扱いにしていること
ここに書けることはこれくらいです(笑)
最期に調査官の方が作った「調書」に目を通すように言われました。
「私○○は今、○○に職業訓練に通っています。○○と言う会社が不正な帳簿のつけ方をしていて、~」と書かれた厚めの冊子を渡されましたね。
冊子の中には、僕が話したことが文章としてまとめられていました。
僕が提出した給料明細のコピーや銀行通帳のコピーのことが「資料①「資料②」みたいに書かれていて、添付資料として提出したものがドサッと(笑)
「うわ、すごいなぁ。。。」と思っちゃいました。
「調書」に気になった部分を言うと、すぐに訂正して新しい調書を作ってきましたね。
最期に「調書」の内容に間違いがないことを伝えると、調書自体に数か所捺印を求められ、「聞きたいことが出て来たらまた連絡します」と告げられ終了となりました。
そういえば、「雇用保険の適正額受給や離職票の訂正には"源泉徴収票"の提出以外の方法は無いの?」って聞かれましたね。
大きな役所でも横のつながりなんてないんだなぁって、改めて実感しましたね。
二日間税務署に顔を出したわけですが、ぶっちゃけめっちゃ緊張して疲れましたよ。。.
(;^ω^)
まとめ
僕がいた会社に税務調査が入りまして、約3か月くらいたちます。
税務署からは何の連絡もありませんし、クビにしてくれたブラック会社から「訂正された源泉徴収票」が送られてきてもないです。
税務署に顔を出した最終日に、「解決までに時間がかかる・・・」とは言われましたが、これからどう進むのか不安が募ります。
半年くらいたって動きがないようなら、また税務署に行ってみましょうかね。。。