昔から慣れ親しんでいる石油ファンヒーターを、家でも使いたいと考えているあなた。
エアコンの暖房ように乾燥してしまうのではないか心配になりませんか?
加湿は必要ないのだろうか?
何より安全性が心配なんだけど…
そんなあなたの疑問に一気にお答えします!
今回は石油ファンヒーターを使うと加湿は必要なのか、湿度はどうなるのか、安全性はどうなのかについて説明していきます。
石油ファンヒーターを使う時には加湿が必要?
石油ファンヒーターはエアコンの暖房と違い、加湿は必要ないですよ~。
大前提として、日本に多くある木造家屋の適切な湿度は、40~60%と言われています。
この値より低ければ、喉や鼻が乾燥して、風邪の原因となることがあります。
逆にこの値より高ければ、家がカビてしまうのです。
これもこれで大問題!体調を悪くしかねません。
では、本題に入ります。
エアコンを点けると、どんどん乾燥していくのに対して、石油ファンヒーターは、最初こそ湿度が下がり乾燥していきますが、その後は徐々に湿度が上がり、日本家屋に適した湿度を保ってくれるのです。
その仕組みについては、次の章で詳しくご紹介します!
よって、石油ファンヒーターを点けているときは、加湿の必要はなく、その点は大変優れています!
石油ファンヒーターを使うと湿度は下がって乾燥する?
先程、石油ファンヒーターは加湿がいらないとお話ししましたが、その理由は何なのでしょう?
石油ファンヒーターは、石油(ホームセンター等で購入する灯油のことです)を燃やすことで発生した温かい熱を、電気の力を使って、送風ファンで外に送り出すのです。
それにより、部屋が暖まるという構造です。
最初、灯油を燃やし始めたときは、乾燥して、湿度が40%程度に下がります。
この間、灯油内の炭素(C)と水素(H)が燃やされ、空気中の酸素(O)と結び付き、炭素は二酸化炭素(CO2)へ、水素は水(H2O)に変化するのです。
この発生した水が水蒸気として、室内に放出され始めると、60%という適切な湿度に上がっていき、その後も保たれるのです。
ちなみに、灯油1リットルに対して、1リットル分の水蒸気が部屋に放たれます。
ガスファンヒーターも同じ構造で、加湿を必要としません。
最近の暖房器具という、エアコンを挙げる人が多いので、暖房=乾燥と考える人が多いのでは?と思います。
実際には、ご説明した通り、石油ファンヒーターは最初こそは湿度が下がりますが、その後は湿度が上がり、乾燥することもないのです。
意外な盲点ですよね。
しかし、メリットばかりでもありません。
次に、石油ファンヒーターの安全性についてお話しします。
石油ファンヒーターの安全性は?
灯油を燃やすと、二酸化炭素が発生するとお話ししましたが、これが問題なのです…
現代の高断熱高密度住宅では、特に一酸化炭素中毒を起こしやすく、必ず定期的な換気を必要とします。
小さなお子さんがいるご家庭では、お世話や家事で手一杯で、換気にまで頭が回らないなんてこともありますよね。
そんな場合には、不向きかもしれませんね。
命に関わってしまうことなので。。。
ただ通常は、2時間で自動停止するなど、安全装置が付いていたり、燃焼が不安定になると、動作を止める機能が付いていたりします。
絶対に安全とは言い切れず、やはり、窓を開けて換気をした方が確実です。
それとは別に、気を付けないといけないことがあります。
それは、タールの蓄積とシリコンの付着です。
前者は、シーズン終わりに、タンク内に残った灯油が酸化したり、管理の良くない不良灯油を使用することで蓄積されます。
また後者は、床用のワックスやヘアスプレー、シャンプー等に含まれているシリコンが、使用時に撒き散らされ、石油ファンヒーターに付着してしまうのです。
それらが原因で、石油ファンヒーターを誤作動させてしまうことがあり、様々なトラブルの引き金となってしまいます。
エアコンやオイルヒーターの電気代に比べて、石油ファンヒーターの灯油代とファンを動かすわずかな電気代を合わせても、格安です。
暖房効果も速効性があり、強力なため、今でも人気のある暖房器具ではあります。
安全性をきちんと理解した上で、使用する必要がありますね。
まとめ
石油ファンヒーターは、使用中も乾燥しないので、加湿もいらず、また、燃費が良いというメリットをご理解いただけたと思います。
一方で、必ず定期的に換気が必要であり、シーズン終わりには必ずタンク内を空にしなければならないなど手間がかかるのが、デメリットです。
灯油を燃やした時の臭いや、ファンを回すときの音の問題もあります。
メリットとデメリットを比較して、石油ファンヒーターを使用するかどうか判断してみてはどうでしょうか。