とても濃厚な美味しさから「海のミルク」とも呼ばれている牡蠣。
お刺身で食べたり、牡蠣フライにしたりと人気の食材です。
しかし、スーパーなどで牡蠣を購入したとき、家に帰って調理をしようとしたら、牡蠣がドブ臭いように感じたことはありませんか?
今回は、なぜ牡蠣がドブ臭いのか、食べても大丈夫なのか、また牡蠣を食べる場合の注意点などについてご紹介します。
牡蠣がドブ臭い・・・
スーパーで買ってきた牡蠣を調理しようと思ったとき、牡蠣がドブ臭いと感じたことはありませんか?
その原因は、牡蠣の生態に隠されています。
牡蠣は「海の掃除屋」と呼ばれている生き物です。
なんと牡蠣は1日におよそ300Lもの海水を、その小さな体でろ過してしまう性質を持っています。
ちなみにアサリは10Lといわれているので、どれだけ多く海水を取り込んでいるかが分かると思います。
牡蠣の中にたくさんの海水が取り込まれるわけですから、どうしても汚い海水を体内に吸い込んでしまうと牡蠣がドブ臭くなってしまうことがあるようです。
また、牡蠣は体の構造にも、ドブ臭い原因があります。
牡蠣は他の貝類に比べて内臓部分が多く、その分多くの糞を溜め込んでいるといわれています。
そのため、どうしても臭いが気になってしまうことがあるようです。
しかし、ドブ臭いからといって食べてはいけないというわけではありません。
生食用の牡蠣はきちんと保健所で調査されているので、スーパーで買った牡蠣の場合は食べても大丈夫です。
ただし、加熱用の牡蠣は、糞の処理がしっかりとされていない場合もあるので、調理するときに必ず火を通し、加熱をする必要があります。
牡蠣は火を通してもあたる?
牡蠣は火を通してもあたる可能性があるので注意が必要です。
最近は「牡蠣は食中毒ガチャ」などと呼ばれていたりすることを知っていますか?
料理人という立場の人が言った言葉で、反響も大きかったそうです。
確かにその通りで牡蠣は火を通しても、一定の確率で食あたりになってしまう食べ物だといわれています。
生で食べるのではなく、火を通しているので大丈夫だろうと安心して火を通した牡蠣を食べる人も多いと思いますが、どうしても100%あたらないとは言い切れないようです。
過去には、旅行に来ていた団体客が焼き牡蠣や牡蠣フライなど、加熱してある牡蠣を食べたにも関わらず集団で食あたりになってしまったことがあります。
牡蠣を食べるときの体調などにもよるそうで、体力が落ち、弱っているときなどは火を通してもあたることがあるので注意が必要です。
牡蠣は基本的に火を通すなどして加熱をすればノロウイルスなどをやつけることができるといわれています。
しかし、牡蠣を食べた本人がノロウイルスに関する免疫が少なかったり、近くにノロウイルスに感染している人がいたりすると、食あたりに繋がってしまう恐れがあります。
他にも、調理器具に菌がついていて感染してしまったり、牡蠣アレルギーだったり、生の牡蠣が近くに置いてあり加熱後に感染してしまったりと火を通してもあたる原因はさまざまです。
牡蠣を食べる時の注意点とは?
濃厚な味がとてもおいしい牡蠣ですが、食あたりにならないように、食べるときにはいくつか注意点があります。
まずはしっかりと加熱するということです。
生食用の牡蠣は別ですが、加熱用の牡蠣をそのまま生で食べてしまうのは危険です。
牡蠣には「ノロウイルス」と「腸炎ビブリオ」という菌がついている場合があり、加熱することでその菌に熱が十分に加わると大半は死滅させることができるといわれています。
次の注意点は調理器具や、お皿などを消毒してから使うことです。
加熱前の牡蠣を置いていたお皿に、加熱後の牡蠣を置いてしまうとそこに菌が残っている恐れもあるので注意が必要です。
また、自分の手もしっかりと洗って消毒してから調理することが重要です。
牡蠣だけでなく、自分自身の体調管理も大切です。
体調がよくないときは免疫が落ちている可能性があるのでもしも牡蠣にあたってしまった場合に重症化してしまうことも考えられます。
疲れているときや、風邪気味のときには食べない方がよいでしょう。
最後の注意点は、古くなってしまった牡蠣は食べないほうが安全ということです。
色やニオイがいつもと違うときには加熱してもあたってしまう可能性が高く、食中毒などの恐れもあるので処分してしまうほうが安心です。
まとめ
牡蠣がドブ臭い原因や、牡蠣に火を通してもあたってしまう危険があること、また、牡蠣を食べるときの注意点などをご紹介しました。
牡蠣を育てる海の状態も、牡蠣の味や香りに影響してくるそうです。
きれいな海水をたくさん含んだ牡蠣はドブ臭いこともなく、とてもおいしい牡蠣に育つといわれています。
牡蠣を食べるときの注意点も守って、ぜひおいしい牡蠣を味わってください。
▼参考記事▼
牡蠣の生食用って本当に生で食べれる?加熱用との違いは?下処理は?