もう我慢ならないっ!!と駆け込む労働基準監督署。
労働基準監督署に通報したら、どんな対応をしてもらえるのでしょうか?
本当に明るい未来があるのか気になるところですよね。
ここでは、労働基準監督署に通報したその後について説明します。
労働基準監督署に通報したらその後どうなる?
労働者の駆け込み寺的存在の労働同基準監督署。
労働基準監督署に通報することは、告げ口するような後ろめたい感じがするかもしれませんね。
でも労働者の正当な権利を守るためには、労働基準監督署を利用するのも一つの手です。
通報内容によって違法が確認できれば、労働基準監督署は立ち入り調査を実施します。
今は残業代の未払いや超過勤務については特に厳しく取り締まっており、月80時間以上の残業などについては即座に対応してくれる傾向のようです。
ただし、セクハラやパワハラなど法に触れない問題については労働基準監督署の管轄外で、どんな労働問題でも対応してくれるわけではありません。
労働基準監督署は、労働基準法に関することにだけ動いてくれると思っておくといいですよ。
セクハラやパワハラに関しては、労働基準法に関連したことではないので、労働局に相談することになります。
労基署の立ち入り調査(臨検調査)は、事前に連絡がある場合と突然行われる場合があります。
「申告」と言う形で労働基準監督署に通報された場合は、突然の立ち入り調査となります。
会社は立ち入り調査を拒否することができません。
労働基準監督官から○○さんの通報で調査をすると伝えられてしまうことがありますが、名前を伏せてもらうことも可能です。
調査では労働関係書類やタイムカード、出勤簿などの確認、経営者・労働者双方からのヒアリングが実施されます。
申告内容について詳しく調べますので、申告者を秘密にしてもらっても調査が進むにつれて誰が通報したか明らかになってしまう場合があります。
「労働基準監督署に通報したことによる不利益を被ってはならない」と法律で決められていますが、実際のところは職場の空気がかなり微妙になってしまうことでしょう。
消費者庁の公益通報でも匿名で受付してもらえますが、例えば、通報後に不当な人事異動などがあったとしても、通報が影響しているかどうかの判断は難しいものです。
通報者の保護については監督官よりも弁護士の方が長けているようで、万が一、不利益を被っても、弁護士さんであれば不服申し立ての裁判などを起こしてもらえます。
こちらは実際に私が労働基準監督署に申告に行った体験記です。
⇒労働基準監督署に退職後に申告に行ってきた!相談の流れと必要なものは?
労基署は実際に会社に調査が入ったのですが、ネットで調べて想像していたものとはやはり違っていましたね。
労働基準監督署に通報した場合の効果は?
ただ、ぼんやりと相談や通報しただけでは、労働基準監督署はなかなか動いてくれません。
自分の名前を明かし、はっきりとした証拠を提出することで動き出してくれます。
残業代や給料未払いの場合は、自分で出勤時間や退社時間をメモするなど、きっちりと証拠を準備することがポイントです。
立ち入り調査(臨検)で違法行為が発覚すれば、是正勧告書が出されます。
これに書かれている是正期日までに違法行為を改善することが要求されるのです。
この是正期日までに是正報告書を提出しなければ、再度立ち入り調査(再監督)が実施されます。
このような完璧な体制が整えられているにもかかわらず、実態としては、この是正勧告を無視したり、拒否したりする会社もあります。
既に法を犯している会社ですから、是正勧告も受け入れない経営者も存在しますし、労働基準監督官が指摘した改善内容に会社側が納得しない場合もあります。
残念ながら、この是正勧告書には法的な強制力がなく、従わなくても処罰されることがありません。
労基署が何度も是正に乗りだしても、慢性化というか慣れてしまう経営者も存在します。。。
しかし、あまり何度も是正勧告を無視したり、虚偽の報告をしたりすると、労働基準監督署は悪質なケースと判断し、検察に書類送検することがあります。
通報により労働環境がすっかり改善された例もあるようですが、一方で、全く改善されないので再度通報する場合や、一度は改善されたものの、また徐々に労働環境が悪化していく場合もあるようです。
改善されない職場なら、転職を考えてみた方が良いかもしれません。
ブラックすぎて辞めれない場合は、退職代行を使う手もありますし。
女性専用の女性の退職代行業者も存在します。
私がいたような最悪のブラック企業の場合は、弁護士が動いてくれる法律事務所の退職代行の方がいいかもしれません。
モラルのない経営者や法を守る概念のない企業では、労働環境が良くなる見込みは少ないですよ・・・
ちなみに私は、労働基準監督署に調査に入ってもらってから、裁判か労働審判のどちらかを起こそうとしました。
でも会社は、証拠となるモノを跡形もなく処分していたんです。
おそらく争うことになったとしても、勝つ可能性が低いとの理由で、弁護士から裁判を起こすことを止められてしましましたね。。。
本当に悪質な会社は、先の先まで考えて違法行為をしている場合もありますよ。
労働基準監督署に通報されたら会社は倒産する?
今、労働基準監督署が一番厳しく取り締まっているのは超過勤務についてです。
過労死などが社会問題になっておりますから、月80時間以上の残業、つまり過労死ラインについては特に目を光らせています。
ですから、残業代の未払いなどの申告による立ち入り調査が大変増えており、これによる是正勧告を受ける会社も増加しております。
是正勧告を受けると、申告者の残業代だけでなく、該当する労働者全ての残業代を支払うことになり、会社の規模によっては倒産に追い込まれる事態もあります。
ただ、このような場合、労使協定を結び、示談で解決しているようです。
会社側からすると、労働基準監督署に申告されずに、労働者一個人と示談しておけば少額で済んだものの、申告されたことにより労働者全員の請求額と、世間の注目を集めてしまうことになります。
踏んだり蹴ったりの状況になってしまいますが、そもそも違法行為がなければ申告されることはなかったのですから、会社側の自業自得と言えるでしょう。
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まとめ
労働基準監督署に証拠を持って申告すれば、立ち入り調査してもらえるし、かなりの効果が期待できそうですね。
しかし、会社によってはのらりくらりとかわされて、何の解決にもならなかったという場合もあるみたいなので、そのような時は弁護士さんなどに相談してみましょう。
会社にとっても労働基準監督署への対応は重要なことで、まかり間違えば倒産の危機に陥ることもあり得ます。