先日父が亡くなりまして、昔ながらの葬儀ではなく、家族葬と言う形で送りました。
最近すこしづつ浸透しつつある家族葬ですが、石川県や特に僕が住む金沢市だと、昔ながらのしきたりや見栄(笑)、親戚とのつきあい方や費用がいくらかかるか想像できなくて怖いなど、わからないことや疑問点で躊躇することもあると思います。
実際体験したことや感じたことをふまえ、家族葬の感想、実際に家族葬でかかった値段、お寺に渡したお布施の金額やお坊さんとの付き合い、仏壇のこと、「小さなお葬式」と言われる家族葬は実際にどんな感じだったのかについて綴っていきます。
石川県金沢市で父親の家族葬をした
石川県のお葬式にかかった金額の平均は、だいたい200万円を超えるくらいだそうです。
石川県民は少し見栄を張るようなところがあるというか、昔ながらのしきたりみたいなものがあるせいか、日本の葬儀の平均費用よりは高いみたいですね。
ウチの内状は、父が6年以上入院生活を送っていましてね。
で、母は父の介護疲れから心臓が壊れ、僕は難病持ち。
僕自身、持病が原因で会社をクビにされた直後に父が亡くなってしまい、ぶっちゃけウチにはお金がありませんでしたね(笑)
お葬式をするにしても、そんなにお金をかけず、体力がない僕と母の負担が少ない方がいい。
そして、親戚とも深い付き合いがあったわけじゃない。
まぁ、あんまし仲が良くなかったっていうか、過去にいざこざがあったというか㊙
見栄を張ってもメシを食っていけるわけじゃないですし、何をやっても文句を言ったり難癖をつけてくる親戚っているじゃないですか?
クレームをつけてきても自分が対処すればいいやと思って、ウチは小さなお葬式「家族葬」で父を送ろうと決めました。
出席したのは、妹二人の家族8人と母と僕の計10人だけです。
家族葬にかかった実際の費用は?
父が亡くなって、実際にかかった家族葬の全ての費用は93万円でした。
内訳は、実際に葬式屋さんにお支払いした金額は約75万円。
火葬場で支払った金額は、2万5千円。
お寺やお坊さんへのお布施は15万円。
ネットで家族葬の大体の値段を把握していたのですが、意外と費用がかかったかなぁと言う気もします。
セットやプランの中に入っていないけど、必要なものが出てきたり・・・
ここから内訳をくわしく書いていきますね。
葬式屋さんに支払った金額
・家族葬プラン ¥390,000円
ここには、祭壇 霊柩車 寝台車 棺 写真 枕飾り・後飾り 白木位牌 法衣 ロウソク・線香 壇花 ドライアイス 役所手続き代行 などが含まれていましたね。
必要最低限のものが入った価格になりますが、家族葬プランの中では価格は上の方だったと思います。
サイトやパンフレットに書かれているプランの値段は、必要最低限のものです。
それ以外にも会場使用料など必要なものが出てきて、必ずトータル価格は上がりますね!!
葬儀社との打ち合わせの時に、確認した方がいいですよ!!
アパートなどに住んでいる方で、家に一度遺体を運ばず会場に安置する場合は、別途で¥30,000円ほどかかります。
霊柩車は、プラン内の黒塗りの国産車にしましたが、外国車や龍のついた昔ながらの派手な霊柩車を使用したい場合は、金額が上乗せになるそうです。
ウチはお通夜を行いましたが、お通夜を執り行わないことも可能で、さらに値段を安くできるそうです。
・会場使用料 ¥100,000円
お通夜の日の後、会場でみんなで一泊しました。
祭壇が置かれている部屋とは別の部屋でお泊りでしたね。
ふとんや歯ブラシ、タオル、シャワーなどは完備されていました。
お通夜の後の通夜ぶるまいが夕食の代わりになりますね。
翌日の家族葬の前の朝食は、自分で用意が必要でした。
・納棺料 ¥15,000円
・ドライアイス追加 ¥8,000円
・火葬場までの往復バス代 ¥30,000円
妹家族には遠方から来てもらったので、マイクロバスを用意してもらいました。
自家用車で火葬場に行くなら、バス代は必要なくなりますね。
・寝具処分代 ¥5,000円
・通夜振る舞い ¥10,000円
・火葬場での弁当代 ¥25,000円
・香典返し ¥80,000円
ウチに親戚が来訪された場合のために、香典返しとしてカタログギフトを用意しておきました。
使わなかった香典返しは、後々返却できました。
喪中はがきを出す頃に、来訪者の可能性があったので、葬式屋さんに香典返しをまたまた発注しましたね。
この時に余った香典返しは、葬儀屋さんに返却するのが面倒だったので、カタログギフトの中からお米を選び、ウチで食べています。
・生花 ¥20,000円
生花をお願いしておかないと、出棺のときに棺に花を入れれないそうです。
葬儀社によって違うかもしれません。
あと、お葬式のことは葬儀屋さんに頼むのが一番ですが、遺族がバタバタしている時に、火葬の書類など役所への手続き代行、気を利かせて死亡診断書のコピーなんかもしてくれたのが助かりましたね。
死亡診断書は、後々の手続きなどで必要な場面が出てくるので、コピーが何枚か必要になってくるんですよ。
⇒病院で亡くなった後どうする?死亡診断書の発行?火葬に必要な書類は?
火葬場で支払った金額
・待合室使用料が¥5,000円
もしかしたら、葬式屋さんが死亡届を市役所に提出してくれた際に、金沢市役所に支払ってくれたかもしれません。
・骨つぼ代 ¥10,000円
骨壺は葬儀社で用意してくれるのではなく、火葬場で購入しました。
骨壺の種類や大きさ、入れる袋を選ばないといけません。
骨壺の大きさは、お墓や納骨堂の収骨スペースの大きさで考えるといいですよ~。
納骨堂によっては、入れられない大きさの骨壺もあるそうです。
その場合は、遺骨をさらに小さい壺に入れ替えて、など色々と手数料が必要になってきます。
日本各地で、骨壺の大きさは違うんだとか。
僕は火葬場に同行してくれた御坊さんに、「おたくの納骨堂にお世話になるとしたら、この骨壺のサイズだと入れれますか?」とそっと確認しましたね。
・火葬場使用料 ¥5,000円
市役所に死亡届を提出したときに、火葬許可証をもらえましたね。
火葬許可証がないと、火葬炉は使えないそうで。
葬儀屋さんが、ここら辺の手続きを代行してくれます。
金沢市民が、白山市など他地域の火葬場を使わせてもらうと、使用料が跳ね上がります。
・飲み物代 ¥5,000円
火葬をしている間に、葬儀社が用意してくれたお弁当を食べました。
ご膳のような立派なモノも用意できましたが、ウチは身内だけだったので、費用を抑えるためにも精進弁当にしました。
そういえば別室で休憩される御坊さんのお昼だけは、ちょっとランクをあげたかも。
飲み物は、暗黙の了解で、火葬場の喫茶店での発注が義務でした㊙
待合室は、そういえばお菓子の持ち込みができたハズ。
お寺へのお布施
御坊さんに支払った金額 ¥150,000円
御坊さんは、葬式屋さんに紹介してもらいました。
「浄土真宗お東(大谷派)のお坊さんを一人」とお願いしました。
なんで人数まで言ったかというと、「御坊さんの人数を指定しないと、何人でも連れてきてお布施が・・・」という笑えない話を聞いたことがあったからなんですけど・・・
「お布施は心です」なんて言われますけど、ブラックボックスというか、誰に聞いていいのかもわからない恐ろしいモノですよね㊙
檀家に入っている、入っていないとかでも違いますしね。
御坊さんに、じかに聞くのも不作法というかアレですし。。。
ちなみに石川県や金沢市で多い浄土真宗では、亡くなった時点で家に仏壇があった方がいいそうです。
ウチは、父が危篤になってから急いで仏壇を買いに行って、仏壇屋さんに紹介してもらった御坊さん(家族葬でも同じ方にお世話になりました)に開眼供養をしてもらった以外は、お寺との付き合いとかはありませんでした。
なので、家族葬もろもろのお布施にいくら払ったらいいかなどは、葬式屋さんとの打ち合わせの時に聞いて教えてもらいましたよ!
「○○地域の大きなお寺さんはお布施が大体○○円、どこそこは○○円、なので○○円くらいお渡しするといいですよ~」みたいに教えてくれます。
ウチがお渡ししたこの金額は、法名をつけてもらう 枕経 お通夜 本葬 火葬場同行 繰り上げ初七日法要など全部ひっくるめたお布施ですね㊙
ちなみに、御坊さんには月命日にはウチにお経をあげに来てもらっているのですが、いまだに檀家には入っていません。
最近では、檀家に入らなくてもいいよ~っていうお寺さんもありますよ!
お葬式の打ち合わせの時に、葬式屋さんに打診してみてください。
葬儀社によっては、檀家に入らなくてもいいお寺さんを紹介してくれます。
ちなみに父が危篤状態になってから、あせって仏壇を買いに行った顛末はこちらです
ウチは父が亡くなる前に、ポータルサイト「いい仏壇」でお店を下調べしてからお仏壇を購入したのですが、後日JCBの商品券が送られてきてかなりお得でした。
そして家族葬の後、お墓にではなく、家族葬でお世話になったお寺の納骨堂に父を納骨しました
ウチにはお墓がなかったので、NHKでも紹介された「いいお墓」というサイトを眺めながら、お墓を建てるのか、納骨堂や樹木葬にするのか、本当に悩みましたね。。。
家族葬はどんな感じだった?
実際に家族葬をやってみて感じたのは、、、昔ながらのお葬式と比べてやっている内容は同じなんですけど、ゆっくりとして時間が流れて、母と僕の体への負担がかなり楽でしたね。
病気持ちである僕と母には、非常にありがたかったです。
父が病院で亡くなってから家族葬までの流れを簡単に書くと
病院→家→納棺→式場へ運んで通夜→みんなで一泊→告別式→火葬→繰り上げ初七日法要→解散
って感じです。
「小さなお葬式」と言われるだけあって、参列する人間が近親者だけという事以外は、やっていることは一般のお葬式と変わらないんです。
でも正直昔ながらのお葬式って、バタバタして気疲れとかスゴイじゃないですか。。。
アンタ誰?っていう知らない人や、遠い親戚や口うるさい身内とか。。。
家族葬だと、気心が知れた人間だけだったので、気持ち的にかなり楽でした。
あと、お通夜にしろ葬儀にしろ、焼香の時間も10人だったのでそれほど長くなく、時間的に短めの式でしたね。
通夜の前や告別式の前には、幼い姪っ子や甥っ子が父親が眠る棺桶の前できゃっきゃと遊んでました(笑)
「じいちゃん、寝てるね~」なんて言いながら。
通夜の後には、10人でゆっくり通夜ぶるまいを食べながら、オヤジの昔話をいっぱいして、みんなで大笑いしてしんみりして。
昔ながらのお葬式だと無理だと思うんですけど、家族葬ならではで告別式の前にもオヤジの横に居てやれました。
タイムスケジュール的にはカツカツであわただしかったかもしれませんが、なるべく父の横に居てやれて、そして自分の気持ちも整理できて、父の旅立ちを見送れたと思います。
家族だけで過ごす、あたたかいお葬式となりましたよ。
あと意外だったのは、喪主って白装束を来て告別式や火葬場に行くと思っていたのですが、喪主をつとめた僕は、黒の礼服(スーツ)で、お通夜・告別式に出て火葬場に行きましたね。
最近では、喪主の白装束は減ってきているのだとか。
そういえば、ウチは家族葬にしたので、葬儀社との打ち合わせの際に、新聞社などへのおくやみ欄へは名前を掲載しないようにお願いしました。
遠い親戚とか、僕が良く知らない人が訪ねてきても、何かと面倒くさい大変だなぁって感じて(;^ω^)
おくやみ欄に名前を出さなかった影響か、亡くなった一週間後でもオヤジの銀行通帳は凍結していませんで、普通に銀行でお金をおろせましたよ!
銀行通帳が凍結する前に、父の年金や健康保険の手続き・名義変更などを進めることができたので、僕的にはかなり助かりましたね。
亡くなった人名義の口座の解約を考える場合は、中のお金を全部おろしてから、後日解約したいことを銀行に伝えるのがベストだと感じました。
ひとつの銀行に亡くなったことが知られると、他の金融機関にも亡くなった情報が筒抜けになるようです。
そこらへんには、注意が必要かもしれませんね。
家族が亡くなった後の公共料金などの名義変更や必要な手続きは、こちらが参考になるかもです
⇒死亡後に公共料金の名義変更?口座凍結に注意して手続きしておきたい事
あと年末に必要になってくる喪中はがきですが、早めに発注すると印刷代をかなり安くすることができました。
まとめ
実際に父が亡くなる前に、いくつかの葬儀社から見積もりを取っていたら、もう少し余裕をもって家族葬を執り行えたかもしれません。
とはいうものの、まだ生きているうちから・・・と、気は進みませんけどね。
価格に関しましては、もっと安くしようと思えば安くできます。
祖父母の昔ながらのお葬式に参列した経験と比べて、家族葬はあったかい雰囲気とゆっくりとした時間を、父と一緒に過ごせたと思います。
僕と母の体力的にも、そしてフトコロ具合的にも助かりましたしね。
最近では、北國新聞のおくやみ欄に掲載されている人数も前よりかなり減ってきていますし、葬儀屋さんの話では家族葬を選んでいる家庭では新聞掲載をしない遺族が多いとのことです。
家族葬を選んでみるのも、いいなぁと感じましたよ!!
ちなみに、父が病院で亡くって、納骨までにかかった流れや、かかったすべての費用はこちらです
⇒親が亡くなったらやること一覧。病院から葬式納骨までの流れと費用は?